レッドブルのヘルムート・マルコ博士は、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の現在のパフォーマンスレベルが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の初のF1タイトルを奪うことになるのではないかと心配している。
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ブラジルでは、グリッド後方からのスタートという厳しいペナルティを受けたにもかかわらず、最終的にはフレッシュなエンジンを搭載したメルセデスのハミルトンが圧勝し、フェルスタッペンとのポイント差を14ポイントに縮めた。
■ハミルトンだけロケット・・・モナコ仕様のウイングなのに追いつけない
「こんなメルセデスのロケットモーターを見たのは初めてだよ」とレッドブルの最高責任者であるオーストリア人のマルコは『Sport1(シュポルト1)』に語った。
「ストレートで彼(ハミルトン)を後ろに留めておくことができなかった。彼はモナコ仕様のリアウイングを装着していたにもかかわらず、ストレートで後ろにつけることができなかったんだ」
「だが、このスピードがあるのはハミルトンだけで、他のメルセデスのドライバーは我々にとって何の心配もない」と78歳になるマルコは付け加えた。
2021年に向けて3レースを残すのみとなった今、レッドブルの最初の優位性は失われつつあるようだ。
マルコは「もしハミルトンがカタールでも同じように優れていて、さらにサウジアラビアとアブダビでも同じように優れていたら、我々はタイトルを手放すことになる」と語った。
■メルセデス「信頼性は満足していない」
しかし、ハミルトンのエンジンの優位性がカタールから失われていくと予想する人たちもいる。
メルセデスF1のボスであるトト・ヴォルフは「信頼性については、まだ100%満足しているわけではない」としつつ「しかし、確実にわかっているのは、長く走れば走るほどパフォーマンスが落ちていくということだ」と語った。
■ハミルトンの速さの秘密は傾くステアリング?
激しい頂上決戦は、コース外での戦いにも波及し続けている。
FIAは木曜日、ブラジルでのフェルスタッペンのターン4での動きに対して、遡ってペナルティが課せられる可能性について、メルセデスの主張を聞くことになっている。
一方、レッドブルは、まだいくつかの矢を持っているようだ。
マルコは「我々は主に2つのことを懸念しており、それを明らかにするためにFIAに提起する可能性もある」と述べた。それは、メルセデスのリアウイングのフレキシビリティに関する懸念を指していると思われる。
もうひとつの説は、ブラジルでの車載映像を基にしたもので、ハミルトンが高速走行中に車高を下げるために“ステアリングホイールを傾けている”というものだ。
「しかし、抗議が行われるのは、ハミルトンのマシンの何かがルールに適合していないという証拠があるときだけだよ」とマルコは付け加えた。