今季も残すところ4戦となったF1第19戦サンパウロGP(ブラジル、インテルラゴス・サーキット)で決勝レースが行われた。
●【F1第19戦サンパウロGP】決勝レースのタイム結果、周回数、獲得ポイント
10番手スタートのルイス・ハミルトン(メルセデス)が追い上げ、ライバルのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)との激闘を制し優勝した。
フェルスタッペンはスタート後のターン1でバルテリ・ボッタス(メルセデス)を抜いて2位でフィニッシュ。3位はポールポジションからスタートしたボッタスだった。
■フェルスタッペン、スタートでトップへ
昨日のF1スプリント予選では、1番手スタートのフェルスタッペンが2番手バルテリ・ボッタス(メルセデス)にターン1を取られた。
そして今日の決勝レースはポールポジションからボッタス、イン側の2番手にフェルスタッペンというグリッドからスタートしたが、今度はフェルスタッペンがターン1でトップに出て、逃げる。
続くターン4では、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)がボッタスを攻略して、これでレッドブル・ホンダのワンツー体制となった。
一方、ハミルトンは今季5基目の新エンジン(ICE)を搭載したことで5グリッド降格ペナルティを受けており、10番手スタートだったが、昨日と同じように次々と抜いていく。特にストレートが速い。
そして5周目のホームストレートでボッタスはスローダウンして、ハミルトンを3番手に出した。
■角田裕毅の接触でセーフティカー導入
すると7周目、セーフティカーが入る。ターン1でアウト側のランス・ストロール(アストンマーティン)が接触した、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)のフロントウイングを除去するためだ。のちに角田に過失があったと判定され、10秒タイムペナルティが科せられた。
これでレッドブル・ホンダの築いたギャップはなくなり、タイヤも冷え、メルセデスのハミルトンに有利な条件となった。
■ペレスとハミルトンの攻防
再スタート後にすぐ、ミック・シューマッハ(ハース)がキミ・ライコネン(アルファロメオ)との接触によりフロントウイングを壊し、デブリがサーキット全域に散らばり、今度はバーチャル・セーフティカーが入った。ハミルトンはペレスのDRS圏内でチャンスを伺う。
再スタート後、17周目のターン1でハミルトンがペレスをパスしたが、ターン4でペレスが抜き返す。その翌周、ハミルトンが再びターン1でペレスを抜き、今度は一気に引き離した。
■フェルスタッペンとハミルトンの戦い、開戦
ここからはフェルスタッペンとハミルトンの一騎打ちだ。チーム側のタイヤ戦略も重要になる。
27周目、まずはハミルトンがハードタイヤに交換すると、翌周にはフェルスタッペンもハードタイヤに交換して、ハミルトンの前で戻った。
その後、41周目にフェルスタッペンが再びハードタイヤに交換すると、ハミルトンは44周目に2度目のピットストップ。
■スチュワードの素晴らしい判断
48周目のターン4で、ハミルトンがフェルスタッペンに仕掛けるが、イン側のフェルスタッペンはブレーキを遅らせてコーナー進入では前に出て守った。しかしターン4の出口では両者ともに大きくコースアウト。
これについてスチュワードは「よくあるレーシングインシデント」として「調査の必要なし」と判断した。2人に頂上決戦を続けさせるという素晴らしいジャッチをした。
■チャンピオンシップを争う2人の一騎打ち
ハミルトンは58周目に再トライ。しかし、フェルスタッペンに防御される。しかし諦めないハミルトンは、59周目のターン4の手前でDRSを使ってオーバーテイクに成功。ハミルトンは飛ばして一気にフェルスタッペンを引き離しにかかった。
メルセデスよりストレートの速さが足りないフェルスタッペンには追いつく余力はなく、ハミルトンは10.4秒差でそのままチェッカーフラッグを受けた。ハミルトンは101勝目。ハミルトンの「決して諦めない」という言葉が具現化した。
最終ラップ、ソフトタイヤに交換したペレスがファステストラップを叩き出し4位入賞。ハミルトンから1ポイントを奪い取った。
ポールポジションスタートのボッタスは、フェルスタッペンの3秒後方で3位フィニッシュした。
■チャンピオンシップ争いは14ポイント差に
これでランキング首位のフェルスタッペンとハミルトンの差は、21ポイントから14ポイント差に縮まった。