アストンマーティンのチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーがアルピーヌへ移籍することになるかもしれない。
アストンマーティンは9月に、かつてマクラーレンのチーム代表を務めていたマーティン・ウィットマーシュの加入を発表。ウィットマーシュはアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズ社のCEOに就任し、F1チームの運営に直接的にかかわることはないと言われていた。
しかし最近、アストンマーティンはサフナウアーに替えてウィットマーシュを新たなチーム代表に据えることになるようだとの噂がささやかれるようになっている。
アストンマーティンのオーナーは、カナダの大富豪として知られるローレンス・ストロールだ。ストロールは2018年シーズンにフォース・インディアを買収。翌2019年にレーシングポイントをチーム名を変えると、2020年にイギリスの名門自動車会社であるアストンマーティンを買収し、今年からF1チーム名もアストンマーティンに変えたという経緯がある。
「ストロールがチームを買収したとき、彼は新たな動きを持ち込んだんだ」
ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』にそう語った元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは次のように続けた。
「しかし、以前も言ったが、一晩で牛を虎に変えることはできないよ。あそこには不安が多すぎる」
「そして、私の意見だが、マーティン・ウィットマーシュとオットマー・サフナウアーのコンビは全く機能しないと思うよ」
ラルフ・シューマッハはさらに、同じドイツ出身ドライバーであり、今年からアストンマーティンで走っているセバスチャン・ベッテルについて次のように語っている。
「アストンマーティンはトップクラスのドライバーを必要としていたし、セバスチャンも今ではかなりよくなり、安定度も増してきた」
「チームが、本来やるべきことをやっていないだけなんだ。新たな人材が採用され、その結果として不安が生じたことで、もはやサフナウアーに相応しい環境ではなくなっているのかもしれないね」
最近の噂では、2009年10月にフォース・インディアに加入し、以来イギリスのシルバーストンに本部を置くチームで長年にわたって重要な役割を担ってきていたサフナウアーとストロールの関係はすでに悪化しており、サフナウアーのチーム離脱は避けられない状況だと考えられているようだ。
そして、そのサフナウアーをアルピーヌが迎え入れるのではないかという噂もささやかれ始めている。アルピーヌでは現在昨年までMotoGPのスズキチームを率いていたダビデ・ブリーヴィオがレーシングディレクターを務めているが、少し前からブリーヴィオがMotoGPに復帰するためにチームを離れるのではないかとの噂もささやかれている。
つまり、アルピーヌはブリーヴィオの後任にF1で十分な経験を持つサフナウアーを据えるつもりなのではないかと考えられているわけだ。
そのアルピーヌをCEOとして率いているローラン・ロッシは次のように語り、現在のチーム体制の見直しが必要かもしれないと示唆している。
「私は、上から下まで、右から左まで、すべてのことに目を配っているよ」
「現在、我々はトップチームたちの次に位置するグループに属しているが、トップチームたちに追いつくためには、これまでとは異なる体制が必要かもしれない」