マイケル・アンドレッティが、現在アルファロメオとしてエントリーしているザウバーF1チームの買収に失敗したのは提示された買収価格が折り合わなかったためではなかったと主張した。
アンドレッティによるザウバー買収交渉が決裂したと報じられた際、スイスに本拠地を置くザウバーの現オーナーは3億5000万ユーロ(約461億円)の支払いと、今後5年間の活動をカバーするために2億5000万ユーロ(約330億円)の銀行保証を要求していたようだと報じられていた。
だが、1993年にはアイルトン・セナのチームメートとしてF1で走った経験も持つアンドレッティは、今回ザウバーとの話し合いがまとまらなかった本当の理由は金ではなく「支配」の問題だったのだとドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語った。
「財政面で合意ができなかったという憶測はもう終わりにしたいと思う。それは事実ではないんだ」
「それは支配に関することだった。そして、私は常に言ってきたが、もし条件が合わなければ、私はそう(買収)するつもりはないよ」
アンドレッティによると、今回のザウバーとの交渉が最後の段階を迎えるまでは、契約成立に向けて順調に進んでいたものの、ザウバーのオーナーが突然方針を変えたのだという。
基本的にザウバーはチームのほとんどを売却しても支配権のほとんどを維持したいと考えていたのか、と質問されたアンドレッティは次のように答えている。
「ああ、詰まるところ、そういうことだ」
アンドレッティはさらに、F1オーナーであるアメリカのリバティ・メディアが今回の交渉を円滑に進めるために関与しようとはしなかったことにも不満を感じているようだ。
「現在のアメリカの市場を考えれば、もしこれが実現できていたら彼ら(リバティ・メディア)もかなり満足できたはずだと思う。だが、彼らからは何のサポートもなかったよ」
「これが実現しなかったのは残念だ。だが、我々はあきらめるつもりはない」
そう語った59歳のアンドレッティは次のように付け加えた。
「我々は次の機会がないかどうか目を配り続けるつもりだ。だが、それは適正な条件の場合だよ」