フォルクスワーゲンの傘下にあるポルシェとアウディが2026年からエンジンサプライヤーとしてF1に参戦するだろうという噂が日を追うごとに強まりつつある。
同じドイツの自動車メーカーであるメルセデスのワークスF1チームを率いるトト・ヴォルフは、ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』から、フォルクスワーゲンの噂について質問されると次のように答えた。
「私の考えでは、2026年には彼らがそこ(F1)にいるだろう」
「聞こえてくる声は全てそれを示しているからね」
実際のところ、フォルクスワーゲン・グループに属するポルシェでモータースポーツ部門責任者を務めるトーマス・ラウデンバッハはこのほど、「マーケティングやPRの面でのF1の価値は議論の余地がない」と認め、次のように付け加えた。
「我々はこの話題についてグループ内で真剣に検討しているところだ」
最近の噂では、11月下旬に開催される取締役会でこの問題の決着がつけられるようだと言われている。だが、ラウデンバッハは、最終的な結論はまだ出ていないと主張している。
フォルクスワーゲン・グループが2026年からF1に参入するかどうかは、その年に導入予定の新エンジンレギュレーションの詳細部分がどうなるかにかかっていると考えられている。
「バジェットキャップ(チーム予算上限設定)はすでに第一歩を踏み出しているが、そのような制限はエンジンにも適用されなければならない。それは現在協議中だ」
そう語ったラウデンバッハは次のように続けた。
「レギュレーションの変更によって全ての競技者が同じ基準でスタートできるようになった場合のみ、エントリーする意味がある」
噂では、ポルシェはすでにレッドブルとの交渉を進めているとも言われている。だが、ラウデンバッハは微笑みを浮かべながら次のように語った。
「いや、私は最近ザルツブルグやハンガー7(ザルツブルグ空港内にあるレッドブルの展示スペース)には行っていないよ」
また、ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』も、ラウデンバッハが次のように語ったと報じている。
「パートナーが必要となるが、その範囲はエンジンの供給からチーム全体の購入まで多岐にわたることになる」
「あらゆる可能性が議論されているのは確かだ」
「2列目あるいは3列目にいるチームと組んで参入しようとすれば、成功するには時間と金がかかることになる」
「また、すでにトップにいるパートナーと組むチャンスがあっても、それにもまた相応のコストがかかることになる。だが、全てがうまく運べば、私個人としては『やろうじゃないか、それは最高に面白いことだ』と言うだろうね」
ラウデンバッハは、同じくフォルクスワーゲン・グループに属するアウディも同様の話し合いを行っていると認めている。
「アウディもそれを検討しているよ」
そう語ったラウデンバッハは次のように付け加えた。
「2つのブランドが参入することになれば、それによって少しばかり節約することができるかもしれないよ」