セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が、今年のF1マシンは史上最高レベルのものであるため、新技術レギュレーションが適用される2022年マシンが「全て悪く感じられる」のは避けられないだろうと語った。
2022年にはこれまでとは大きく異なる技術レギュレーションが導入されることになっており、現在各F1チームはそのレギュレーションに則った2022年型F1マシンの開発に取り組んでいる。
そしてドライバーたちもすでにシミュレーターを使って来年のF1マシンの感触をつかみ始めている。
こうした中、ペレスとチームメートのマックス・フェルスタッペンもRB17と呼ばれることになる2022年型レッドブルF1マシンをシミュレーターで試してみたものの、今年のRB16Bとの比較では、ペースの点でかなり生ぬるい反応を示したという。
メキシコ出身ドライバーである31歳のペレスは、2022年型F1マシンについて「それほど悪いとは感じない」としながらも、「まだ非常に初期の段階」であり、実際のところはまだ分からないと次のように語った。
「僕はシミュレーターで2、3回しか(2022年型マシンを)運転していないんだ。だから、実際にコースに出るまで待つしかないし、そこからスタートすることになるよ」
「だけど、現在のレギュレーションと比べるとすごく違っているのは確かだよ」
「僕たちが今乗っているマシンは、F1の歴史においてはもう見ることができないほど素晴らしいものだと思っている」
「今年のマシンは、これまでに僕たちが、あるいは全てのドライバーが乗ってきた歴史の中で最高のものだ。だから、残念ながら、このマシンに比べれば(2022年型マシンは)全てが悪く感じられるだろうね。だけど、運転するのが楽しいマシンであって欲しいと思っているよ」
現在ライバルのルイス・ハミルトン(メルセデス)に12ポイント差をつけて残り5戦に臨むことになるフェルスタッペンも2022年型マシンに関してはペレスと似たコメントをしている。
「問題なく進んでいるよ。ただ、少しだけ遅いけれどね。サーキットで実車に乗ることが必要だし、それからシミュレーターをそれに合わせて調整する必要があるよ」
そう語ったフェルスタッペンは次のように付け加えた。
「現時点ではまだ全てが推測の域を出ないし、正直なところ、僕はあまり気にしていないよ」
2022年に導入される新技術レギュレーションは現在のものより様々な部分で制限が厳しくなっている。それにより、各チームのマシンの差が出にくく、これまでよりも全体的に接戦が増えることになると期待されている。
しかし、ペレスは、そうした厳しいレギュレーションにおいても、あるチームが非常にそのルールにうまく対応して、ライバルたちに大きな差をつける可能性もあると考えている。
「来年に向けては、すごくうまく対応できたチームがライバルチームより優位に立つ可能性もあると思っている。そうなればほかのチームが追いつくには何年もかかるんじゃないかな」
「レギュレーションはすごく制限されているから、全チームがそれに対応することで、すごく接戦になる可能性もあるだろう。でも、僕はそうは思っていないよ」
そう語ったペレスだが、この新技術レギュレーション導入はF1にとって必要なことだったと考えているようだ。
「だけど、F1には様々な理由で変化が必要だったと思うし、財政的な理由もある。だから、この新しいレギュレーションが何をもたらすのかに関しては、成り行きを見ていくしかないね」とペレスは付け加えた。