マイケル・アンドレッティによるF1チーム買収計画は不調に終わったようだ。
1993年にマクラーレンでアイルトン・セナのチームメートを務めたことでも知られる元レーシングドライバーのアンドレッティは、現在はインディカーを始めとするいくつかのカテゴリーに参戦するアンドレッティ・オートスポーツの代表として活躍している。
そして最近、アメリカのモータースポーツで大きな実績をあげているアンドレッティが、現在アルファロメオというエントリー名でF1を戦っているザウバーを買収したようだとの噂がささやかれていた。
しかし、元F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、本当にアンドレッティがザウバーを買収するかどうかは疑わしいとしてスイスの『Blick(ブリック)』紙に次のように語っていた。
「アンドレッティとの契約がまとまるかどうかは疑わしいね」
「スイスはF1においては理想的な場所ではないよ。イギリスの人たちはそこには行きたがらないし、もし行ってもすぐに帰ってしまうんだ」
だが、本当の問題は、ザウバーの現在の親会社である『イスレロ・インベストメント(Islero Investments)』が提示した財政的条件にあったようだ。その親会社を率いているのはフィン・ラウシンというスウェーデンの大富豪だという。
『Blick(ブリック)』は、今季のF1第17戦アメリカGPが開催された先週末に次のように報じていた。
「パドックでは次のような数字が噂されている。それによれば、買収価格は3億5000万ユーロ(約461億円)、さらに今後5年間で2億5000万ユーロ(約330億円)の銀行保証をつけるというものだ」
「スウェーデン人オーナーは、アルファ-ザウバーが今後も確実に活動を継続できるようにすることを望んでいる」
そして、このほどいくつかの信頼できるメディアが報じたところによれば、アンドレッティとイスレロの3か月間にわたった交渉は完全に決裂したようだ。
「10月の初めにアメリカから流れてきた噂によって、交渉はすでに混乱状態にあった」
そう報じたイタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』は次のように付け加えている。
「それによりアンドレッティのことが公然と語られるようになり、コルトン・ハータ(インディカー・ドライバー)がすぐにF1で走るようになるという噂もそれに拍車をかけていた。だが、それら全てがイスレロを苛立たせてしまったのだ」
『Blick(ブリック)』は、マイケルの父親であり、1978年のF1チャンピオンでもあるマリオ・アンドレッティの名前をあげながら次のように報じている。
「マリオ・アンドレッティの息子はギャンブルに出たが、恐らく、現在のオーナーがスイス人従業員を優先するとは思っていなかったのだろう」