レッドブルは、メルセデスに対して公式に抗議を行うことが2021年のF1タイトル争いに影響を及ぼす可能性を考慮し、そのリスクを回避することにしたようだ。
レッドブルは、メルセデスがシーズン半ばにストレートでのスピードを向上させたことに疑惑の目を向けており、当初はターボチャージャーのインタークーラーに何らかのルールの抜け穴を見つけたのではないかと考えていることを明らかにしていた。
だが、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は最近、速度が上がるにつれてリアが下がる傾向が見られるメルセデスのサスペンションセットアップにも注目しており、それによって時速15kmの向上が見られるケースがあると指摘している。
しかし、レッドブルのチームボスであるクリスチャン・ホーナーは、それについて正式に抗議を行うつもりはないと主張している。
「それはこれまでもすでに使われてきたという歴史がある。過去に彼ら(メルセデス)がそうしていたのを我々は目にしてきている」
そう語ったホーナーは次のように付け加えた。
「我々はそれが違法だと言ったことは一度もない。だから、抗議する理由など全くないよ」
先週末にテキサス州オースティンで行われた今季のF1第17戦アメリカGPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が勝利し、2位に終わったルイス・ハミルトン(メルセデス)との差を12ポイントに広げることに成功した。
メルセデスがリードしているという状況であれば話は違ってくるかもしれないが、レッドブルとしてはフェルスタッペンが現在タイトル争いをリードしているだけに、メルセデスの疑惑に対する抗議行動に出ることよりも状況を静観した方が得策だと考えているようだ。