1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)と2021年のF1ドライバーズタイトルをかけて戦っているルイス・ハミルトン(メルセデス)はここまでに「多くのミスを犯している」と語った。
だが、そう考えているのはビルヌーブだけではない。元F1ドライバーのデビッド・クルサードやマーク・ウェバーも同意見だ。
かつてウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルで戦い、F1通算13勝をあげた記録を持つクルサードは現在のハミルトンについて次のように語った。
「彼はプレッシャーを感じているようだ」
また、ミナルディ、ジャガー、ウィリアムズ、レッドブルで活躍したウェバーも、今年のハミルトンはこれまでになく多くのミスを犯していると次のように指摘している。
「我々はルイスとマックスの驚異的な戦いを目の当たりにしている。だが、ハミルトンのミスがどんどん目立ってきているよ」
こうした中、カナダ出身のビルヌーブは、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のようにコメントしている。
「ハミルトンは多くのミスを犯したが、フェルスタッペンとは違って、それからかなりうまく逃げているよ」
「ポイントはすべての状況を示してはいない。ルイスはフェルスタッペンに比べてミスの代償が少なかったからね」
「ハンガリーやシルバーストン(イギリスGP)のことを思い起こしてみればいい。メルセデスにとっては難しいレースではなかったが、ハミルトンにとってはそうではなかった。それにもかかわらず、彼らはポイントでは僅差となっている」
実際のところ、今季はすでに16戦が終わっているが、ここまでにフェルスタッペンが7勝、ハミルトンが5勝と、勝利数ではフェルスタッペンが2勝上回っている。しかし、現時点での両者のポイント差はわずかに6ポイントだ。
ビルヌーブは、こうした状況のもとでハミルトンとフェルスタッペンのどちらが最終的に今年のタイトルを獲得するのかを予測するのは難しいと考えているようだ。
「これまでのところ、レッドブルとフェルスタッペンは完璧だった。しかし、トルコではメルセデスが最も大きなウイングを装着していたが、それでもストレートでは誰も追いつけなかった」
そう語った50歳のビルヌーブは次のように付け加えた。
「残りのレース数も少なくなったし、彼ら(メルセデス)はエンジンパワーを上げたのかもしれない。もし彼らがこの調子を維持することができれば、ハミルトンはオースティン(第17戦アメリカGP/24日決勝)やサンパウロ(第19戦ブラジルGP/11月14日決勝)でもうまくやれるだろうね」