レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、自分たちとの壮絶なタイトル争いを演じていることでメルセデスが新たなエンジントラブルを抱えることになったのだと考えている。
最近の報道によれば、現F1チャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデス)が年間規定数を超えるエンジン交換により、今週末に行われる第16戦トルコGP(10日決勝)でグリッド降格ペナルティを受ける可能性があると考えられている。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、メルセデスの関係者が、トルコGPの舞台となるイスタンブールで新エンジンを投入する可能性は実際には低いものの、第17戦アメリカGP(24日決勝)もしくは第18戦メキシコGP(11月7日決勝)でそうせざるを得ない可能性が非常に高いと認めたと報じている。
「ルイスがトルコで問題を抱えない限り、そこでは多分(新エンジン投入は)ないだろう。レッドブルとは接戦になるだろうと予想しているよ」
そう語ったメルセデス関係者は次のように続けている。
「だが、その後はそう(新エンジン投入)しなくてはならない。我々は、自分たちが特に強いサーキットか弱いサーキットのどちらかでそうするつもりだ。あるいは、雨になったときにね」
「メキシコは標高が高いからレッドブルに有利なサーキットだろうし、恐らくインテルラゴス(ブラジル)もそうだろう」
こうした中、マルコは次のように語った。
「メルセデスはこれまで楽に勝ち続けてきていた」
「彼らは最初の数周は加速し、その後はエンジン出力を下げていたんだ。そういうことはもはやできなくなっている」
「今では、彼らもより高いモードで、より頻繁により長く運転しなければならなくなっている。そうすることで問題が起きているんだ」
レッドブルの関係者によると、メルセデスが抱えている具体的な問題はクランクシャフトとバルブシートに関するもので、エンジンの走行距離が増えてくると出力を抑える必要が生じていると考えられているようだ。
メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(チームCEO兼代表)はそれに関して「些細なことなんだ。だが、残念ながら常に違いがある。はっきりと認識できるパターンはないんだ」と語り、近いうちにハミルトンのエンジンを交換する必要が生じることも「ありえる」と認めている。