F1は9月30日(木)に、キャンセルとなったF1オーストラリアGPの代替レースとしてカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで2021年の第20戦(11月21日決勝)を開催するとともに、カタールとの間に2023年から10年間に及ぶF1開催契約を結んだことも明らかにした。
そして、このニュースに対して強い不快感を示したのが世界最大の国際人権NGOであるアムネスティ・インターナショナルだ。
F1では今年同じ中東地域のサウジアラビアでもF1を初開催することになっているが、アムネスティ・インターナショナルはすでにサウジアラビアには人権侵害が行われている疑いがあるとしてそのレース開催に反対の意思表示を行っていた。
アムネスティ・インターナショナルはこのほど、カタールにも人権侵害問題があるとして声明を発表し、その中で次のように主張している。
「カタールの人権問題には、移民労働者への長年にわたる虐待、言論の自由の制限、同性間の関係を犯罪とすることなど、非常に問題が多い」
「F1は、このレースに関わるすべての契約において、サプライチェーン全体にわたって厳しい労働基準を盛り込むことを要求すべきである」
また、今年のカタールでのF1開催にも新型コロナウイルスに関する課題が残されているようだ。
一部のメディアは、事前にワクチン接種を完了した者のみが現地で移動の自由を得られることになると報じているようだ。
それによれば、FOM(F1商業権管理組織であるフォーミュラ・ワン・マネジメント)からF1メディアに送られたものだとされているメールには、「カタール保健省が求めている質問のひとつは、GP開催日の14日前までに完全な予防接種を受ける人員の割合がどれくらいになるかということだ」と書かれているという。
さらに、このメールは、ワクチンを接種した者は「自分でホテルを選び、夕方にはホテルを出て夕食をとる」ことができるが、ワクチンを接種していないメディアは「政府が選んだ」ホテルに留まることが義務づけられることになると示唆し、次のように付け加えている。
「F1コミュニティが最初のカテゴリーに入ることを期待しているが、まずは(カタールに)情報を提供しなければならない」
ともあれ、さまざまな意味で、今年カタールで初開催されるレースには大きな注目が集まることになるのは確かだろう。