F1イタリアGPの主催団体として知られるイタリア自動車クラブ(Aci)のアンジェロ・スティッキ・ダミアーニ会長が、2022年もアントニオ・ジョビナッツィをF1にとどめるためには政府の支援も必要だと訴えた。
すでにほとんどのF1チームの2022年のドライバーラインアップが確定している。
先日はアストン・マーティンが2022年のドライバーラインアップを正式に発表し、来季もセバスチャン・ベッテルとランス・ストロールのコンビが継続されることが確実となった。
今のところハースもまだ公式には2022年のドライバーラインアップを発表していないものの、ニキータ・マゼピンとミック・シューマッハが残留するのは確実だと考えられており、実際のところ現時点でまだ2022年のシートが確定していないのは現在イタリア人ドライバーのアントニオ・ジョビナッツィが座っているアルファロメオのシート1つだけになっている。
そのジョビナッツィの後任として有力視されているのが中国人ドライバーの周冠宇(チョー・ガンユー)だ。現在はアルピーヌのリザーブドライバーを務めている22歳の周だが、報道によれば母国中国から最大3,000万ユーロ(約39億円)のスポンサーマネーを持ち込むことが可能な状態だという。
こうした中、F1イタリアGPが行われた先週末のモンツァでは、F1のCEOを務めるイタリア出身のステファノ・ドメニカリが現在唯一のイタリア人F1ドライバーであるジョビナッツィが2022年もグリッドに残ることを希望していると語ったことが報じられていた。
そして、このほどスティッキ・ダミアーニが『Pitlane.TV』に次のように語った。
「彼は素晴らしいドライバーだし、我々はまだ彼の潜在能力を最大限に発揮させるチャンスを与えることができていない」
「イタリア政府が彼の持つすべての価値を考慮して何かをしてくれることを願っているよ」
「もちろん、私が言っているのは、彼がF1を続けるのに必要な量が入ったスーツケースのことだ」
ジョビナッツィはフェラーリのドライバーアカデミー出身者であり、アルファロメオで走ることができているのもこのチームにエンジンを供給するフェラーリの支援があったからだ。だが、スティッキ・ダミアーニはそれだけではF1のグリッドを確保するのに十分ではないかもしれないと認めている。
「かつてのF1とは違うんだ。以前は優秀なドライバーなら何の問題もなくレースを続けることができていた」
「今は本当に価値のあるドライバーももちろんいるが、銀行口座にチームに貢献できるだけの額を持っている者たちもいる」
そう語ったスティッキ・ダミアーニは次のように付け加えた。
「アントニオを守り、彼がF1で本当の力を発揮し続けることができ、彼にふさわしい道を整えるチャンスを与えることが我々の義務なんだ」