近い将来、早ければ2022年にも、F1にドライバーズタイトル、コンストラクターズタイトルに加え、新たに3つ目のタイトルが誕生することになるかもしれない。
F1最高責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリによれば、それはテニスのグランドスラムのようなものになるという。
今年、F1は3レースにおいて初の試みとなる「スプリント予選」を試験的に実施することにしているが、すでにそのうちの2レースが終わっており、残すのは第19戦として予定されているブラジルGP(11月14日決勝)だけになっている。
かつてフェラーリのチーム代表を務めていたドメニカリは、2022年には最大7レースでこのスプリント予選を実施したいと考えていることをイタリアの『Autosprint(オートスプリント)』明かし、次のように続けた。
「反応、緊張感、テンポなど、全部がいいんだ」
「現段階ではフォーマットの再検討を行っているところだ。だが、私は最大で7つのスプリントレースを行うことができると思っている」
そして、ドメニカリはこの7つのスプリントレースを新たなF1の“グランドスラム”タイトルにつなげることをイメージしているようだ。
「我々は、テニスのように、追加のタイトルを授与するグランドスラムを考えているところだ」
「スプリントレースのタイトルと選手権を制した者が、グランドスラムを勝ち取ることになる」
そう語ったドメニカリは次のように付け加えた。
「F1は変化し、もっと若い人たちに興味を持ってもらえるものになる必要があるんだ」
このような変化を実現させるためには、チームだけでなく、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のサポートが必要となる。
FIA会長のジャン・トッドは、これまでにスプリント予選が試験実施された2つのレースを振り返りながら、金曜日に行われる予選と土曜日のスプリント予選の間に1回のフリー走行が挟まれることに関しては「少し当惑している」と認め、次のように続けた。
「唯一の利点はチームがタイヤの摩耗などの情報を収集できることだ」
「見応えという観点からは、あまり意味はないよ」
トッドはさらに、スプリントレースの勝者ではなく、金曜日に行われる通常の予選で最速タイムを刻んだドライバーをそのグランプリの正式なポールシッターとするべきだという批判があることも認識している。
「それに関しては検討する必要があるね」
そう認めたトッドは次のように付け加えた。
「土曜日にスプリントが行われるため、予選が行われる金曜日の格が上がっている。しかし、私にとって最も重要なことは日曜日がメインイベントであり続けることだ」
また、ドメニカリが2022年には最大7レースにスプリント予選を導入したいと考えていることについて質問されたトッドは次のように答えている。
「まだ何も決まったわけじゃないよ」
「まずは、シルバーストン、モンツァ、そしてインテルラゴスでの試験実施で得られた知識に関して時間をとって検討することにしよう」