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「フェルスタッペンとハミルトンの戦いはセナとプロストのときとは違う」とジャック・ビルヌーブ

2021年09月15日(水)5:16 am

1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブが、マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンによる2021年のF1タイトル争いは、かつてのアイルトン・セナとアラン・プロストが繰り広げた戦いよりもずっとクリーンだと主張した。

今年のF1タイトル争いはレッドブル・ホンダのフェルスタッペンとメルセデスのハミルトンによるがっぷり四つの戦いとなっている。

そして先週末にモンツァで行われたF1イタリアGP決勝ではこの2人がターン1で接触し、2台ともにリタイアとなってしまった。

こうした中、イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』は次のように報じている。

「彼らの戦いは野蛮な戦争と化した。それはセナ対プロストの戦いのようにF1の歴史に残ることになるだろう」

「彼らはどちらも自分が正しいと確信している」

同じくイタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』も次のように書いている。

「このライバル関係は、混乱、相互非難、そして2人のスターパイロットの巨大なエゴによって手に負えないものになってしまった」

また、スペインの『La Vanguardia(バングアルディア)』は「これは憎しみ合う2人のモンスターの戦いだ」とまで書いている。

イタリアGPのレーススチュワードは、今回のクラッシュはフェルスタッペンの方に非があったと判定し、フェルスタッペンには次戦ロシアGP(26日決勝)で3グリッド降格ペナルティが科されることになっている。

ドイツ出身の元F1ドライバーであるクリスチャン・ダナーは、フェルスタッペンがハミルトンに仕掛けたのは「個人的なもの」であり「心理戦的な行為」だったとテレビ局『Sport1(シュポルト1)』にコメントしている。

オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』は、元F1ドライバーであるクリスチャン・アルバースの次のようなコメントを引用している。

「現実的に見れば、マックスはあのときあそこにいるべきではなかったよ」

「だけど、あれがマックスだよ。彼はギャップを見ていた。彼は幼い頃からそのように訓練され、育てられてきているんだ」

「私は彼の大ファンなんだ。だが、あの短い時間に故意に誰かを押しだそうと決断をすることなど想像できないものの、今回は彼のミスだったよ」

「プロストやセナと同じ状況にあるし、今後何らかの制限をするかどうかはFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)次第だね」

一方、オランダGPのレーシングディレクターを務めている元F1ドライバーのヤン・ラマースは、フェルスタッペンが意図的にハミルトンに接触した可能性も否定はできないと『NOS(オランダ放送協会)』に次のように語っている。

「想像するに、マックスは自分が勝てないのであれば相手にも勝たせないと考えていたのではないだろうか。マックスは、あそこで自分が介入しなければポイントを失うことがわかっていたからね」

こうした中、日頃から歯に衣着せぬ発言をすることで知られる50歳のビルヌーブは、フェルスタッペンが攻撃的だったのは事実だが、ハミルトンの方も「スペースをあと10センチメートル残しておくことはできたはず」だと考えている。

「意図的に何かをしたとして彼らのうち1人だけを罰することはできないよ。接触が始まったのは、その動きが意図的なものになるずっと前のことだったんだ」

『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』にそう語ったビルヌーブは次のように続けた。

「彼ら(レーススチュワード)が彼にペナルティを与えたのは、レッドブルのホイールがハミルトンの頭の上に来てしまったからだ。彼らは結果で判断しないと言った。だが、彼らはそれを行ったんだ」

「最も重要なことは、彼らはどちらもF1チャンピオンを目指して戦っており、どちらも相手の後ろにはいたくないということだよ」

そう語り、今回の事故はレーシングインシデントでしかなかったと示唆したビルヌーブは、フェルスタッペンとハミルトンが繰り広げている戦いは、セナとプロストの戦いとは全く違うものだと次のように続けている。

「彼らが攻撃的過ぎるということはないよ。彼らはただお互いに相手に勝ちたいと思っているだけさ」

「セナとプロストとも違うよ。彼らのライバル関係は限度をはるかに超えていたし、憎しみに達し、汚い真似さえいとわないものだった」

「ルイスとマックスはそうではないよ」

そう語ったビルヌーブは次のように付け加えている。

「また同じようなことが起こる可能性もあるにせよ、ウォールに突っ込んで終わるのではない戦いをもっと見られるよう望んでいるよ」

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