アストンマーティンのチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーが、チームとセバスチャン・ベッテルの関係がうまくいっていないという報道を否定するとともに、2022年もベッテルがチームに残留することを強く示唆した。
先週末に今季のF1第14戦イタリアGPが開催されたモンツァ・サーキットでは2022年シーズンに向けてアストンマーティンとベッテルがまだ完全には合意していないという噂が強くささやかれるようになっており、34歳のベッテルが今季限りでのF1引退を考えているのではないかとの見方も出てきていた。
最近、アストンマーティンがフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)や、イタリアGPの勝者となったダニエル・リカルド(マクラーレン)の契約状況について問い合わせを行ったという情報が伝えられたこともあり、それがそうした噂に火を注いだのは確かだろう。
だが、57歳のサフナウアーは、こうした噂は「全くもって100パーセント馬鹿げている」と語り、次のように続けた。
「我々にはプランBはない。彼(ベッテル)にもプランBはない」
「彼に聞いてみればいいさ。彼はここでやるのが大好きだと言うはずだよ」
今年フェラーリからアストンマーティンに移籍したベッテルだが、両者は複数年契約を結んでいると伝えられていた。だが、サフナウアーはこの契約には双方にオプションが設けられていることを認めている。
しかし、サフナウアーはアストンマーティンにはほかのドライバーに打診するような理由などないと次のように主張している。
「ほんの少しでも疑問があったとしたら、みんながウィリアムズやアルファへの移籍を話題にしていた7月にそういう話し合いをしていただろう」
ベッテルと同じドイツ出身の元F1ドライバーであるクリスチャン・ダナーは、アストンマーティンとベッテルの交渉は純粋に「金と様々な契約オプション」に関するものになるだろうと考えている。
「私はベッテルがアストンマーティンに残留することになると見ているよ」
1980年代後半にザクスピードやアロウズなどで活躍したダナーはそう語ると、ベッテルがアストンマーティンの小口株主でもあることに言及しながら次のように付け加えた。
「彼は自分が出資したものが成功につながるかどうか様子を見る機会を失いたくはないだろうからね」
ともあれ、サフナウアーは、アストンマーティンは次戦F1ロシアGP(26日決勝)までには2022年のドライバーラインアップを正式に発表できるだろうと示唆している。