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10年前ならF1ベルギーGP決勝はスタートしていたはずだと元F1ドライバー

2021年09月01日(水)18:55 pm

2人の元F1ドライバーが、先週末にスパ・フランコルシャン・サーキットで行われたF1ベルギーGP決勝があのような形で終わったのは、リスクに関する考え方が以前とは異なってきているためだという考えを示した。

コロナ禍にもかかわらず観客を迎え入れて行われた今季の第12戦ベルギーGP決勝だが、大勢の観客が長時間にわたって雨に濡れながらレース開始を待っていたにもかかわらず、最終的にセーフティカー先導で2周が行われただけでレースが成立したと宣言され、上位10名のドライバーに通常の半分にあたるポイントが付与されるという結果に終わってしまった。

これに関しては批判的意見を述べている者も少なくない。

1970年代に活躍したドイツ出身元F1ドライバーのハンス・ヨアヒム・シュトゥックは、オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。

「あれは茶番だった。とりわけ、ファンにとっては明らかな詐欺行為だよ」

「私は、主催者が賢明であり、ファンにお金を返すと言うことを願っているよ

現役時代には2度F1の表彰台に立った経験を持つ70歳のシュトゥックは、F1における伝統的なやり方と新しい文化との間の溝が大きくなってきているのは事実だと認め、イタリア出身の元F1ドライバーであり、ル・マン24時間レースで5回優勝した実績を持つエマニュエル・ピロの名前をあげながら次のように続けた。

「もし、ベルギーでエマニュエル・ピロがスチュワードを務めていたら、レースをスタートさせる決定がされていたと思うよ。私はそう確信している」

スペイン出身の元F1ドライバーであるペドロ・デ・ラ・ロサも同意見のようだ。

「10年か15年前なら、日曜日のレースは行われていただろうね。それは間違いないよ」

『Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』にそう語ったデ・ラ・ロサは次のように付け加えた。

「しかし、リスクの考え方が変わってきていることを理解する必要がある。つまり、以前はウェットコンディションにおいて許容されていたものが、もはや許容されなくなっているんだ」

デ・ラ・ロサも、2周のセーフティカー先導走行でポイントを与えたことについては、「ファンに対する敬意を欠いていた」と批判している。

一方、ベルギーGPでセーフティカーのドライバーを務めたベルント・マイレンダーは、今回の決定は仕方のないことだったのだと次のように語っている。

「我々はレースをスタートさせようと試みていたんだ。我々はコースに戻ったが、ドライバーたちのコメントに耳を傾けた。 そして私も彼らに同意したんだ」

「2回目にコースに出たときには、水は減るどころかさらに増えていた。だから、すべての決定は正しく行われていた。こんな状況になったことはこれまでには一度もなかったよ」

「私自身もこのような状況を経験したのは、キャリアを通じて初めてのことだった」

こうした中、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の会長を務めるジャン・トッドが8月31日(火)に声明を出し、先週末のF1ベルギーGPで起きたようなことを繰り返さないよう、今後F1と共に「レギュレーションを慎重に見直す」ことを明らかにしている。

「FIAは、F1やチームたちと一緒に将来に向けて何を学び、改善できるかを確認するために、レギュレーションを慎重に再検討するつもりだ」

声明の中でそう語ったトッドは、次のように付け加えている。

「ポイント配分の件を含めた調査結果は、10月5日に開催される次回のF1委員会の議題に加えられることになる」

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