スパ・フランコルシャン・サーキットの社長が、先週末に行われたF1ベルギーGPのチケット料金を払い戻すことになるかどうかはまだ分からないと語った。
雨に見舞われた先週末のF1ベルギーGPだが、スパ・フランコルシャン・サーキットに詰めかけた観客たちは、レース開始を冷たい雨の中で長時間にわたって待ち続けたものの、最終的にはセーフティカー先導により2周が行われただけでレースが成立するという前代未聞の事態を経験することになった。
レースが成立した以上、通常であればチケット代金の払い戻しが行われることはない。しかし、F1レギュレーション的には成立したとは言え、実際にレースが行われたかったのも事実であり、ルイス・ハミルトン(メルセデス)を始めとするF1ドライバーや、そのほかのレース関係者やメディアの中にはF1あるいはスパ・フランコルシャン・サーキットは観客にチケット代金を払い戻すべきだと主張している者も多い。
こうした状況を受け、スパ・フランコルシャン・サーキットの社長を務めるメルキオール・ワテレはベルギーの通信社『Sporza(スポルザ)』に次のように語った。
「走行は少しだけ見られたものの、見応えなど全くなかった。セーフティカーの後ろで何周かはしたが、みんな悲しんでいるよ」
「あれは週末を終える最善の方法ではないよ」
こうした状況を受け、すでにF1最高責任者のステファノ・ドメニカリとスパ・フランコルシャン・サーキットのディレクターを務めるバネッサ・マースがチケット代金の払い戻しも検討するつもりだと語ったことが報じられている。
しかし、ワテレはこの問題について、今はまだ具体的なことを言える段階ではないと次のように続けた。
「我々は観客に対してどのような姿勢を示すかを考えることになる。何が可能なのかを検討するし、あらゆる可能性を見ていくつもりだ」
「まず、もう少し具体的にしなければならない。ファンに期待を持たせておいて、その約束を果たせないということにはしなくないからね。どんなことが可能かと言うには時期尚早だよ」
そう語ったワテレだが、自分としてはF1やレースディレクターを批判するつもりはないとしている。
「私はあの判断を理解しているよ。レースディレクターたちはサーキットでレースをやろうと試みていた。だが、そうはできなかった」
「誰もが不満を抱えている。我々はこれから包括的対策を見つけなくてはならないんだ」
そう述べたワテレは次のように付け加えた。
「だが、実現不可能なことをテーブルの上に投げ出すつもりはないよ」