NEXT...F1開催スケジュール

【F1】ベルギーGPの観客へ返金を検討

2021年08月30日(月)19:09 pm

F1は、先週末に開催された第12戦ベルギーGPのチケット料金を払い戻すかどうかに関して、今後話し合いを持つことになりそうだ。

●【2021年F1第12戦ベルギーGP】決勝レース結果

29日(日)に行われたベルギーGP決勝は、降りしきる雨の中での開催となったが、しばらく開始時刻を遅らせた後、セーフティカー先導でフォーメーションラップを行った。しかし、レースができる状態ではないとの判断がくだされ、いったん中断されてF1マシンはピットレーンに戻されていた。

そのままかなりの時間にわたって待機状態が続いていたが、その後レース再開がアナウンスされ、再びセーフティカー先導のもとでマシンがコースへと向かった。

だが、ここでもわずか2周を行っただけで再びレースが中断。結局、その後レースが再開されないことが発表されたが、ルール上セーフティカー先導のもとで規定の周回数を行ったとしてレースが成立。この結果、当日のスターティンググリッド順で上位10名のドライバーに通常の半分のポイントが与えられた。

しかし、このレースを3位で終えた現F1チャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデス)は、F1が無理矢理レースを成立させたのは金のためだったという趣旨のコメントを行うなど、レース後もその問題がメディアを賑わせることになっている。

ポールポジションを獲得していたことでレースの勝者となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とのポイント差が3ポイントにまで縮まってしまったハミルトンだが、最大の関心事はずぶ濡れの状態でレース開始を待っていたファンの扱いだと次のように語った。

「誰もが自分のお金を得ることができる。だけど、ファンは自分のお金を取り戻すべきだと僕は思うよ。今日、このスポーツは間違った選択をしたと思う」

「政治的な背景や、あの2周によって彼ら(観客)にお金が戻ってこないのかどうかはわからない。だけど、それは僕たちが望んでいることではないと思うよ」

「僕たちは、スポーツとしてもっと良い価値を持っているんだ」

しかし、F1は、無理矢理にレースを成立させるためにあえてセーフティカー先導でF1マシンを周回させたのではないと否定している。

今季からCEOとしてF1運営の責任者を務めているステファノ・ドメニカリは、いったんレースを再開させようとセーフティカー先導での周回を行う判断をしたのは、「レース管理者たちが天候が改善する可能性があると認識した」からだと語り、次のように続けた。

「しかし、ドライバーたちが断定的なコメントを行ったことに加え、天候も悪化してしまった。つまり、それが理由であって、商業的な面からのものではなかったんだ。私は、すべてが正しく行われたと思っている」

「金や政治とは何の関係もないことだった。我々はグランプリが開催されるかどうかにかかわらず、エントリー料を受け取っているからね」

「すべては観客のことを考えてのことだったんだ。彼らに何かを提供しようと、あらゆることを試みたんだ」

また、ドメニカリはレースを月曜日に延期することは不可能だったのだと主張している。その理由は、コースマーシャルたちはボランティアであり、多くの人が月曜日には出勤しなければならないためだという。

もちろん、今週末には3週連続開催のうちの2レース目となるオランダGPが控えており、そのための移動や準備のことを考えればスパ・フランコルシャンにもう1日長く滞在するのは非常に困難だという側面もあったはずだ。

しかし、ドメニカリは観客がチケット代を取り戻すべきだというハミルトンの提案についてはその可能性を否定していない。

「我々はファンを大切にしている。これはとても重要なことだ」

かつてフェラーリのチーム代表を務めていたことでも知られるドメニカリはそう語ると次のように付け加えた。

「この問題については主催者側と協議することになるだろう。先ほど申し上げたように、ファンは我々の優先事項であり、今日はファンにとってF1が非常に重要であることを彼らが証明してくれた。我々はこの件に対処することになる」

スパ・フランコルシャンのサーキットディレクターを務めるバネッサ・マースも返金の可能性についてF1と話し合うことを約束している。

「これから少し休んで、未来に目を向けるつもりです」

『Eleven Sports(イレブン・スポーツ)』にそう語ったマースは次のように付け加えている。

「今回の不可抗力による事態を受け、観客にどのような補償を申し出ることができるか、今後フォーミュラ・ワン・マネジメント(F1の商業権を管理運営する組織)と検討していきたいと思っています」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック