レッドブルのチーフテクニカルオフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイが、F1は今も自分を“刺激”し続ける存在だと示唆した。
もうかなり以前から、F1関係者やファンの間では天才的F1マシン設計者とも言われているニューウェイがいつまでやる気を失わずにいることができるのかという話題がささやかれていた。
だが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』からそのことについて質問されたニューウェイは、微笑みを浮かべながら次のように答えた。
「私もそれを自分自身に問いかけ続けているよ」
2022年に新たに導入される新しい技術レギュレーションでは、F1マシンの設計に関する自由度は現在よりもはるかに制限されている。ニューウェイも来年のレギュレーションがF1にとって「大きな」変化をもたらすだろうと次のように続けた。
「私に言わせれば、1983年にベンチュリ・カー(車体底面で空力効果を生むマシン)が禁止され、フラットフロアが導入されて以来の大きなルール変更だよ」
「パワーユニット(エンジン)を除き、マシンのすべての要素が変わることになる」
かつて多くの独創的なF1マシンを設計してきたニューウェイだけに、レギュレーションでがんじがらめにされてしまうのは本当であればあまり歓迎したくないところだろう。一時期、F1の第一線からしばらく離れていたこともあっただけに、ニューウェイが今後どのような形でF1と関わっていくのかが気になるところではある。
だが、ニューウェイは次のように続けた。
「もし10年か15年前に、今日(2021年)もまだここ(F1)にいるかと聞かれたら、ノーと答えていただろう。だが、私はここにいるよ」
「私は以前のようにオフィスで何時間も過ごすことはないし、F1以外の生活もおろそかにならないように気をつけているよ。そして、アストンマーティン・ヴァルキリーのようなほかのプロジェクトにも力を入れ続けているし、ほかにもいくつかのことが進行中なんだ。それについてはまだ話せないけれどね」
「私はいろんなものを設計することや、同僚たちやドライバーたちと一緒にマシンの仕事をすることが大好きなんだ。そして、幸運なことに、多くの時代にかけて様々な種類のクルマを設計することができた。私は常にこの情熱に対して忠実であり続けたよ」
「チーム代表とかマネジャーになることには私は全く興味がなかった。確かに、私はもう長いことここにいる。しかし、家で一日中ガーデニングをしていたら退屈してしまうことも分かっているよ」
そう語った62歳のニューウェイは次のように締めくくっている。
「私には、自分を刺激してくれる何かが必要なんだ」