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F1オランダGP開催にもうひとつのハードル

2021年08月26日(木)5:14 am

今季のF1第13戦オランダGP(9月5日決勝)の主催者には、来週末にザントフォールト・サーキットにF1エンジン音を響かせるためにまだクリアしなければならないハードルがあるようだ。

伝えられたところによれば、オランダ政府はF1を開催することを認めているものの、観客数を定員の66%に留めることがその条件となっているようだ。ザントフォールト・サーキットの収容可能人数は10万5000人だと言われているが、その66パーセントということになれば、1日あたり約7万人の観客が集まることになる。

ザントフォールトのスポーティングディレクターを務める元F1ドライバーのヤン・ラマースはオランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』に次のように語った。

「すべての条件をクリアすることができて初めてグランプリを開催することができるんだ」

しかし、伝えられるところによれば、オランダのマルク・ルッテ首相がザントフォールト・サーキットを訪れる観客に対し自分の席から離れないようにすることを求めているという。もちろん、それは新型コロナウイルスの感染を防ぐためだ。

だが、ラマースは、これは「主に認識の問題」であり、あまり厳密に受け止める必要はないと考えているようだ。というのも、「来場者は全員がワクチンを接種しているか、あるいは検査を受けている」からだという。

一方、来週末のオランダGPに向けて、さらなる障害があるかどうかを尋ねられたラマースは微笑みを浮かべながら次のように答えている。

「熊の姿は見えないが、いつでも森から飛び出してくることはできるものさ」。

オランダの『Algemeen Dagblad(アルゲメン・ダグブラッド)』紙は、ラマースが言う「熊」とは、オランダの環境保護団体の代表であるヨハン・フォーレンブルークを指しているのではないかと推測している。

伝えられるところによれば、フォーレンブルークは窒素の排出量が多いという理由でF1開催を禁止するべきだと法的手段に訴えているという。

「このイベント(F1)が開催されない可能性も50パーセントあると見積もっているよ」

そう述べたフォーレンブルークは次のように続けた。

「窒素の基準値を超える場合、公共の利益のためのやむを得ない理由があるなら、まず欧州委員会にかけてそれを通過しなければならないんだ。そして、それは実現されていない」

「裁判官にとっては難しい判断となるだろうね」

「サーキットは自然保護区内にある。もし、彼らがアッセン(ドレンテ州アッセンにあるTTサーキット・アッセン)ではなく、そこでのレースを維持したいのであれば、そのリスクは承知しているはずだ」

「F1組織が断固としてザントフォールトでの開催を推し進めた以上、それが実現できなくなってもそれは自らの責任だよ」

本当であれば昨年の5月初旬に1985年以来35年ぶりに復活開催される予定となっていたF1オランダGPだが、新型コロナウイルスの世界的感染拡大によりキャンセルとなっていた。

今年は時期が9月にずらされており、一定の制限が加えられてはいるものの観客も入場が認められることが確定している。無事に開催が実現すれば、母国オランダのヒーローであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)を応援する観客たちによってザントフォールトの観客席がオレンジに染まることになるのは間違いないだろう。

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