フェラーリがレッドブル同様に、バジェットキャップ(チーム予算上限)のルールを見直す必要があると主張した。
先週末にハンガロリンクで行われた今季のF1第11戦ハンガリーGPでは、2台のレッドブルF1マシンがスタート直後のターン1で起きたマルチクラッシュに巻き込まれてしまった。マックス・フェルスタッペンはなんとかダメージを負ったマシンでレースを走りきって9位入賞したものの、チームメートのセルジオ・ペレスはそのままリタイアを余儀なくされてしまった。
そして、フェラーリのシャルル・ルクレールもランス・ストロール(アストンマーティン)はやはりターン1でランス・ストロール(アストンマーティン)にぶつけられてそこでリタイアとなったが、伝えられるところによれば、ペレスとルクレールのエンジンは修復不可能なダメージを受けてしまったようだ。
フェルスタッペンは第10戦イギリスGPでもルイス・ハミルトン(メルセデス)との接触によりクラッシュを喫していたが、その際に搭載していたエンジンにもハンガリーで異常が見つかり、フェルスタッペンはそこで年間規定数の上限となる3基目のエンジンを投入する事態となっていた。
こうした中、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、チームに責任がないクラッシュでダメージを負っても、その修理や新たな部品の製造がバジェットキャップによって制限されてしまうのは不公平だと強く主張している。
しかし、マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルはホーナーのそうした姿勢について次のように語っている。
「彼は、事故がチームの財政状況にどれほど影響を与えるかを主張し続けている」
「我々はそういう手段に出るつもりはない。結局のところ、適切な予算を立てることもゲームの一部であり、状況は誰にとってもまったく同じだからね」
しかし、現在マクラーレンと2021年のコンストラクターズランキング3位争いを演じているフェラーリの考え方は違うようだ。フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットはレッドブルと同じようにバジェットキャップの運用方法を見直す必要があるとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「いくつかの例外を設けるべきだろうか?」
「管理が難しいだろうし、私にはそれが解決策になるとは思えない。しかし、我々が検討すべきことは、事故を起こしたドライバーが所属するチームが費用を支払うということだ」
「そうすれば、ドライバーはより責任のある立場に置かれることになるだろう」
ハンガリーGPではルクレールが1周目に姿を消したものの、チームメートのカルロス・サインツが4着でフィニッシュ。だが、2番手でゴールしたセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)がレース後に失格となったことで、サインツは3位に浮上している。
マクラーレン勢がこのレースをノーポイントで終えたことで2021年シーズン前半が終わったところでフェラーリはマクラーレンと同ポイントながらも、順位では逆転を果たしてランキング3番手に位置している。
「我々には最高のペアがいる」
「カルロスはうまく溶け込んでいるし、シャルルのためのいい指標となっている」
今季マクラーレンから移籍してきたサインツについてそう語ったビノットは次のように付け加えた。
「彼らはどちらもチームのためにコンスタントに、力強くポイントを獲得しているよ」