レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、先週末に行われたF1ハンガリーGPでレッドブルの2台を巻き込むクラッシュを起こしたバルテリ・ボッタス(メルセデス)に対するペナルティが5グリッド降格では意味がないと不満を口にした。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はこのレースでランキングトップの座を再びルイス・ハミルトン(メルセデス)に譲ることになったが、ボッタスはハンガリーGPの舞台であるハンガロリンクの第1コーナーで起きた事故については自分に責任があると認めており、メルセデスを率いるチーム代表のトト・ヴォルフも謝罪の言葉を述べている。
ボッタスには夏休み明けにスパ・フランコルシャンで行われる第12戦ベルギーGP(29日決勝)で5グリッド降格ペナルティが科されることになっている。だが、マルコは「よくチューニングされたメルセデスなら2周で順位を上げることができる」と主張し、次のように付け加えた。
「スパほどオーバーテイクに適したサーキットはあまりないからね」
伝えられるところによれば、ペレスのマシンに搭載されていたホンダエンジンもハンガリーで起きたボッタスとのクラッシュによりダメージを負ってしまったようだ。
そして、第10戦イギリスGPでハミルトンとの接触により大クラッシュしたフェルスタッペンも、すでにハンガリーで今季3基目となるエンジンを投入しており、今後規定外となる4基目のエンジンを投入すればそこでグリッド後方からスタートしなくてはならないエンジンペナルティを受けることになるという厳しい状況を迎えている。
こうした中、レッドブル・ホンダはスパ・フランコルシャンでフェルスタッペンとペレスの2台のマシンに新しいホンダエンジンを搭載することを検討しているようだ。この場合、ペレスは3基目となるためまだペナルティが科されることはないが、フェルスタッペンは4基目となるためペナルティを受けることになる。
しかし、マルコが言ったように、スパ・フランコルシャンはほかのサーキットよりもオーバーテイクがしやすいことから、フェルスタッペンならそのダメージを最小限にすることができるかもしれないということだ。
そのことについて質問されたマルコは次のように答えている。
「それについても一応考えなくてはならない」
しかし、マルコは、いずれフェルスタッペンが再びランキングトップの座に返り咲き、シーズンの最後までその位置に留まることができると信じているようだ。
「簡単ではないだろうがね。なぜなら、トト・ヴォルフはもう(2021年型F1マシンの)開発は止めたと言っていたが、シルバーストンに持ち込まれた改良パーツによってメルセデスのマシンは格段に速くなっていたからね」
そう語ったマルコは次のように付け加えた。
「しかし、我々にもまだ計画しているものがあるし、F1タイトルを勝ち取ることができるよう全力を尽くしていくよ」