今年初のF1グランプリを開催するサウジアラビアが、新型コロナウイルスの影響によりキャンセルとなったレースの穴埋めとしてもう1レースを開催してもよいとの姿勢を示しているようだ。
今年は史上最多となる年間23戦の開催を目指しているF1だが、すでにオリジナルのレースカレンダーにはいくつかの修正が施されてきている。そして、最近第21戦として11月21日に決勝が予定されていたオーストラリアGPも正式にキャンセルとなったことで、現在その代替レースをどこで開催するかについて検討が進められている。
伝えられるところによれば、今季の開幕戦を務めたバーレーンや、F1開催国に加わりたいカタールなども候補になっていると考えられている。
こうした中、現在第22戦として12月5日に決勝が組まれている初開催のサウジアラビアが2周連続2レースを開催することに前向きだと伝えられている。
ベルギーの通信社『Sporza(スポルザ)』は、サウジアラビアの王室メンバーであり地方長官を務めるカリド・ビン・スルタン・アル・ファイサル王子が次のように語ったと報じている。
「まだF1から2つめのレース開催要請を受けていないが、そのための準備は完璧に進められている」
だが、サウジアラビアは人権侵害問題により世界から批判を受けており、そうした国でのF1開催については否定的意見があるのも確かだ。
しかし、F1最高責任者を務めるステファノ・ドメニカリは、こうした問題について質問されるとアメリカの『GQ』誌に次のように答えた。
「我々は、将来的に変化したいと考えていることを示している特定の国に行くことの正当性を信じている」
「我々は政治的問題に関わりたいとは思っていない。ネガティブなことを話すのではなく、F1が実現できるポジティブなことを話し合うべきだと思っている」