元F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、先週末に行われた今季のF1第10戦イギリスGP決勝でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)と接触事故を起こしたルイス・ハミルトン(メルセデス)にはもっと厳しいペナルティを与えるべきだったと語った。
2016年まで最高責任者としてF1を牽引していた現在90歳のエクレストンは、大きな論争を巻き起こしているフェルスタッペンとハミルトンのクラッシュに関してスイスの『Blick(ブリック)』に次のように語った。
「私はルイスの行動には驚かなかったよ」
「5連敗したことで、彼は精神的に深く落ち込み、必要な集中力を欠いていた」
「そして、マックスが常に岩のような強さを見せていたため、ハミルトンは全てをなげうって賭けに出たのさ」
エクレストンはさらに、フェルスタッペンが51Gもの衝撃を受けて病院に搬送されるほどの大事故を招いたにもかかわらず、イギリスGPのF1競技委員たちがハミルトンに対してたった10秒のタイムペナルティしか科さなかったことは明らかにおかしいと批判している。
「2人のベストドライバーどちらにも勝利を与えず、それからレース中の事故について話すことができたんじゃないかな」
「しかし、もしも彼らがあれは危険だったと考えたのであれば、10秒のペナルティというのはジョークだよ。私なら少なくとも30秒ペナルティを与えただろうね」
いずれにせよ、イギリスGPで勝利を手にしたハミルトンは、フェルスタッペンがノーポイントで終わったことにより、レース前には32ポイントに開いていた差を一気に8ポイントにまで縮めることができた。
イギリスGPの前までは、ハミルトンが2021年に史上初となる通算8回目のF1タイトルを獲得するのはほぼ不可能だろうと報じていたメディアも多かったが、ここで差が8ポイントに縮まったことで再びハミルトンが息を吹き返す可能性も出てきたと考えている者も少なくないだろう。
「我々は彼らの頭の中を覗くことはできない。だが、私から見れば、ハミルトンが再びチャンピオン候補に返り咲いたよ」
そう語ったエクレストンは次のように続けた。
「少し前に、ハミルトンは2023年までしか(メルセデスとの)契約を更新しなかった。それは彼が今年のタイトル獲得は無理だと思っていたからだ。しかし、今では8回目のタイトル獲得が再び彼の視野に入ってきた」
「それが、彼はまだF1を続けている唯一の理由なんだ」