ピエール・ガスリー(アルファタウリ)を再びレッドブルに昇格させ、セルジオ・ペレスに替えてマックス・フェルスタッペンのチームメートを務めさせることはチームにとって大きなリスクとなるはずだ。
そう考えているのは2016年にメルセデスでF1チャンピオンとなったニコ・ロズベルグだ。
2019年にルノーへ移籍したダニエル・リカルドの後任としてトロロッソ(現アルファタウリ)からレッドブルに昇格したフランス人ドライバーのガスリーだったが、チームの期待に応えることができず、シーズン前半を終えたところでアレクサンダー・アルボンと入れ替えに再びトロロッソに降格されたという経緯がある。
だが、そのガスリーは現在好調を維持しており、直近5レースの予選ではいずれも3列目グリッドを確保する速さをしめしている。ガスリーはもちろんレッドブルへの返り咲きを目指しており、最近ではアルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストがその可能性を否定しなかったとも報じられている。
しかし、ロズベルグは母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語った。
「今の彼は精神的に全く違う状況にあることを忘れてはならないよ」
「彼は以前とは違い、隣に同じクルマに乗るフェルスタッペンがいない。そして、それが(2019年の)問題だったのかもしれないんだ。彼はものすごく強いチームメートがいることで精神的に対応できなかったんじゃないかな」
「それがレッドブルにとっての問題であり、おそらくまだ決断を下していない理由じゃないかな」
そう語った36歳のロズベルグは次のように付け加えた。
「確かに、彼はアルファタウリでは結果を残している。だけど、同じことを彼がレッドブルでできるかどうかは分からないよ」
実際のところ、今年フェルスタッペンのチームメートを務めているペレスは、シーズン序盤こそレッドブル・ホンダF1マシンへの適応に苦しんでいたものの最近では徐々にパフォーマンスを向上させてきている。
もしペレスが今後のレースでもフェルスタッペンとレッドブル・ホンダのタイトル獲得に向けて優れた成果を上げ続けていくならば、レッドブル首脳としても、あえてガスリーを2022年にレッドブルに復帰させるというリスクをとることはないかもしれない。