元F1ドライバーのラルフ・シューマッハが、甥のミック・シューマッハ(ハース)が2022年もハースに残った方がいいのか、それとも、リスクはあるもののアルファロメオに移籍する方がいいのかはまだ分からないと語った。
今年ハースからF1デビューを飾った22歳ミックだが、最近では2022年にはアルファロメオに移籍する可能性が高いとの噂もある。
現在ミックが所属しているハースとアルファロメオはいずれもエンジン供給を受けているフェラーリとの間に技術協力契約を結んでいる。
実際のところ、昨年まではアルファロメオの方がよりフェラーリとは密接な関係にあったと考えられており、2019年からフェラーリのドライバー育成プログラムに所属していたアントニオ・ジョビナッツィをフルタイムドライバーとして起用している。
だが、今年はハースも同じくフェラーリのアカデミードライバーであったミック・シューマッハをデビューさせたほか、フェラーリがイタリアのマラネロにあるファクトリー敷地内にハース専用ビルを設けてそこでマシンの開発を行うなど、いまやハースとフェラーリの関係の方がより密接なものとなってきている。
今年はウィリアムズに代わって最後尾が定位置となってしまっているハースだが、すでに新技術レギュレーションが導入される2022年型F1マシンの開発に全力を投じていることを明らかにしている。
また、噂によれば、アルファロメオが今シーズン限りでザウバーとの契約を打ち切る可能性もあると言われており、そうなると2022年にはアルファロメオとハースの力関係が逆転してしまう可能性もありそうだ。
スイスの『Blick(ブリック)』紙はハースについて次のように書いている。
「このチームは2022年にはフェラーリのコピーを手にしたいと望んでいるのだろうか?」
「確かなことは、ハースもフェラーリも新車の方に完全に焦点を合わせているということだ」
最近のミックに関する噂について質問を受けたハースのギュンター・シュタイナー(チーム代表)は、2022年のドライバーラインアップはそれほど遠くない時期に確定できるだろうと次のように答えている。
「シリー・シーズン(ドライバー移籍の噂が飛び交う季節)は始まったばかりだ」
「まだいくつかのことを検討しなければならないが、2022年のドライバーが確定するのもそう遠い話ではないよ」
しかし、ラルフ・シューマッハは、ミックが来年もハースにとどまるべきか、あるいはアルファロメオに移籍するべきか、それを今の段階で判断するのは難しいと考えている。
「判断するにはまだ早すぎるよ」
「現時点では、アルファの方がハースよりもちょっとだけいい。しかし、問題はどちらのチームがうまく開発しているかということだ」
母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語ったラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。
「来年のハースは大きく変わるだろう。しかし、アルファは何年も前からこのレベルにいる。だから、現時点ではどうアドバイスすればいいのか、分からないよ」