マックス・フェルスタッペンが、レッドブル・ホンダが2021年のF1タイトルを獲得できるのではないかという“夢”を見始めるにはまだ早いと主張した。
●【最終結果:6人にペナルティ!F1第9戦オーストリアGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
フェルスタッペンが先週末にレッドブルリンクで行われた今季のF1第9戦オーストリアGPで優勝を果たしたことで、レッドブル・ホンダとしては第5戦モナコGP以降5戦連続優勝を遂げたことになる。
しかも、フェルスタッペンはオーストリアGPで、ポールポジション、優勝、ファステストラップを獲得するという完全勝利を達成。現F1チャンピオンであるメルセデスのルイス・ハミルトンに32ポイント差をつけ、初のF1タイトル獲得の可能性が大きく膨らんできているのは事実だ。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、今年は間違いなく2013年以来8年ぶりにF1タイトルを奪還できるチャンスが訪れていると『Eleven Sports(イレブン・スポーツ)』に次のように語った。
「7年間にわたって、メルセデスはF1を支配していたばかりか、破壊していたんだ」
「我々が彼らのレベルに追い付くのに7シーズンもかかったよ」
こうした中、23歳のフェルスタッペンは、ハミルトンとの差を大きく広げることに成功したとは言え、それで油断をするようなことはなさそうだ。
「今はまだ、夢を見始めるべき時ではないよ」
母国オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』紙にそう語ったフェルスタッペンは次のように続けた。
「メルセデスの方が僕たちよりも速いレースはまだ絶対にあるはずさ。僕はまだ何も達成したとは思っていないよ」
だが、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、先週末のオーストリアGPでのレッドブル・ホンダのパフォーマンスを見れば、今後もメルセデスに追い付かれる心配はないと考えているようだ。
「我々はフルパワーで走らないこともあったが、ハミルトンはそうしていた。彼らが頑張っても、我々には届かないんだ」
78歳のマルコはそう語ると次のように付け加えた。
「我々にとってはいい状況になっているよ」
ドイツ出身の元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハも今年はレッドブル・ホンダがメルセデスからF1タイトルを奪い取る可能性がかなり高くなってきていると考えている。
「もしも次の2つのレースが同じような結果になれば、彼ら(レッドブル・ホンダ)はタイトルに手をかけることができるだろう」
テレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語ったラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。
「レッドブルの空力レベルやホンダの馬力を考えれば、今のメルセデスにとってはほとんど不可能だろうね」
とは言うものの、ホーナーはシルバーストン・サーキットで行われる次戦イギリスGP(18日決勝)に向けては若干の懸念を抱いているようだ。
「ここでレースを続けられればいいんだけどね」
微笑みを浮かべながらレッドブルリンクでそう語ったホーナーは次のように付け加えた。
「シルバーストンは全く異なるサーキットだ。あそこではこれまでメルセデスを倒すのは難しかったよ」
しかし、マルコは次のように主張している。
「今回の勝利は我々にとって心強いものだよ。これまで我々のパッケージはあらゆるタイプのサーキットで勝利してきたからね」
「もしシルバーストンで我々がメルセデスを倒せば、それは我々にとって非常に良い結果となり、ほかに恐れることはもう何もなくなるだろう」
「以前はマックスが常により多くのリスクを負わなければならなかったことを忘れてはならないよ」
「メルセデスも反撃してくるだろうが、ルイスはここ数年困難な状況を迎えたことはなかったし、プレッシャーもなかった」
「今では、我々がプレッシャーを増大させている。だからルイスはマシンにダメージを与えるというミスを犯したのだと思う。我々はそれを避けることができていた」
オーストリアGP決勝で縁石に乗ってマシンのフロアにダメージを負っていたハミルトンに言及しながらそう語ったマルコは次のように付け加えた。
「それに、マックスも絶好調だ。現在、彼はグリッド上で最も速いドライバーだ。そして、彼は常に完璧を求めるんだ。それがマックス・フェルスタッペンなんだよ」