最近、アストンマーティンがレッドブルから技術者を引き抜いたことが明らかとなったが、セバスチャン・ベッテルが自分はこの件には関与していないと主張した。
アストンマーティンでは現在大規模なチーム改革に着手しているが、その一環としてレッドブルで空力責任者を務めているダン・ファロウズを獲得することを6月25日(金)に明らかにしている。
まだレッドブルとの契約期間が残っているファロウズが実際にいつからアストンマーティンに加わることができるのかはまだ明らかとなっていない。
だが、アストンマーティンは今月1日(木)にも以前レッドブルの空力チームに所属していたアンドリュー・アレッシと契約したことを発表。すでにレッドブルを退職していたアレッシはすぐにアストンマーティンでの業務を開始することになると考えられている。
こうした中、ファロウズもアレッシもベッテルがレッドブルに在籍していたころに一緒に仕事をしていたメンバーだけに、今回の移籍には何らかの形でベッテルが動いていたのではないかとの噂もささやかれている。
しかし、ベッテルは今回の人材獲得に自分は関与していないと次のように主張した。
「僕もチームの一員だよ。でも、僕の仕事は人材のリクルートではなく、クルマを運転し、エンジニアにフィードバックを提供することなんだ」
「僕がアストンマーティンに加わって以来、チームは着実に人員を増やしてきているし、新しい人たちが僕たちのところに来てくれるのはうれしいことだよ」
「僕はアンドリューやダンと一緒に仕事をしていたけれど、それはもうかなり前のことだよ。あれからこんなに時間が経ったのかと驚くばかりさ」
「僕たちはこのほかにも多くの人たちを招き、獲得しているよ。彼らの名前はまだあまりよく知られていないかもしれないけれどね。でも、新たな社員が増えるごとにアストンマーティンは強くなっていくんだ」
しかし、たとえベッテル自身が採用活動に大きく関わっていなかったとしても、彼がアストンマーティンにいるということが、かつてレッドブルで一緒に仕事をしていたエンジニアたちが転職を決意する上での後押しになったことは十分に考えられるだろう。
だが、ベッテルはこれに関しても次のように語った。
「僕がいるから彼らが来ることにしたわけではないと思うよ。なにしろ、僕はレッドブルの後、何年もフェラーリにいたわけだからね」
「アンドリューとダンに関して言えば、同じイギリスにあるチームに行くわけだから、移るのはかなりやりやすいはずだよ。今住んでいる国を離れる必要はないしね」
「同じ地域で新しい仕事に移るのは、まったく新しい国に行くよりも簡単なんだ」
レッドブル・レーシングは登録上はオーストリア籍のチームとなっているが、ファクトリーがあるのはイギリスのミルトンキーンズだ。アストンマーティンのファクトリーがあるシルバーストンは、ミルトンキーンズからは目と鼻の先だと言っていい位置にある。