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プレッシャーを受けるメルセデスが見られるのは「素晴らしい」と元F1ドライバー

2021年06月30日(水)18:27 pm

かつてベネトンやウィリアムズで活躍した元F1ドライバーのアレクサンダー・ブルツが、2014年以降最強F1チームであり続けてきたメルセデスが今年は強いプレッシャーを受ける状態となっているのは「素晴らしいこと」だと語った。

現時点ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が、現F1チャンピオンであるメルセデスのルイス・ハミルトンを18ポイント差でリードしている。

メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、自分たちはこれまでとは大きく異なる新F1技術ルールが適用される2022年のマシン開発に全力を投じており、2021年型マシンの開発はすでにストップしていると主張しているが、レッドブルでは2021年のタイトル獲得に向けてマシン開発を継続しており、その差が現在の結果として現れてきているのは確かだろう。

F1引退後もF1ドライバーたちによる任意団体であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の会長を務めているブルツは、ヴォルフも2021年型マシン開発を再開することを考えているかもしれないと母国オーストリアの『Salzburger Nachrichten(ザルツブルガー・ナッハリヒテン)』紙に次のように語った。

「理論的には、来年のために注ぎ込んでいるリソースをいじり回すことはできる」

「だから彼ら(メルセデス)も、『よし、来年のマシンである程度の数値が出たから、現在のマシンを風洞に戻そう』と言うかもしれないよ」

「こうした決断は非常に大きな意味を持つものだから大きなプレッシャーとなるだろう」

そう述べたブルツは微笑みを浮かべながら、「でも、それは素晴らしいことだよ」と付け加えている。

ブルツはさらに、2021年がレッドブルとメルセデスによる互角の戦いが繰り広げられるシーズンとなったことはとりわけ喜ばしいことだと次のように続けた。

「GPDAではこれまでずっと、クルマの力が接近すればこのスポーツは巨大なものになると言い続けてきた」

「そうすれば、ドライバーの個性が見えてきて、それを認識できるから、余計なからくりなど必要なくなるんだ」

「あと2チームか3チームがこれに加わるといいね。もしフェラーリとマクラーレンがトップ争いに加わればどうなるかを想像してごらんよ」

だが、現時点においては、今季のF1王者争いは最後までハミルトンとフェルスタッペンによって争われることになる可能性が高い。

ブルツは、F1界は、昨年ミハエル・シューマッハの記録に並ぶ通算7回目のF1タイトルを獲得したハミルトンが強い挑戦者と戦うところをずっと見たいと望んでいたはずだと次のように続けた。

「僕たちがこのスポーツを見るのは、そこにヒーローを見たいからなんだ。だけど、どこかの時点で僕たちは彼がミスをしてゼロになるのを見たいと思うものなんだ。そこで、彼も人間だったんだということが分かるんだ」

「メルセデスは長い間トップに位置していたけれど、今、僕たちは突然、人間的な側面を目にしている。非常に高いレベルのね」

そう語ったブルツは次のように付け加えた。

「だからこそ、かつてないほどエキサイティングなんだ」

フェルスタッペンとハミルトンのどちらが今年のF1チャンピオンになる方に賭けるかと尋ねられたブルツは微笑みを浮かべながら「5ユーロ(約660円)だって賭けるつもりはないよ」と答え、次のように続けている。

「誰かが勇気を失ったり、運が悪かったり、ほかの誰かにぶつけられたりすることは簡単に起こりうることだからね。そういうランダムな要素があることには気をつけておく必要があるよ」

「もし誰もミスを犯すことがなければ、最終戦まで盛り上がるだろうね」

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