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「メルセデスは“異常な状況”に対応できていない」とレッドブル首脳

2021年06月30日(水)11:02 am

メルセデスは、これまでに経験したことがなかった「異常な状況」に対処できていない。

そう考えているのは今季のF1タイトルをメルセデスと争っているレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)だ。

現在のハイブリッド方式F1エンジンが導入された2014年以降昨年まで無敵を誇ってきたメルセデスだが、今年はレッドブル・ホンダのパフォーマンスに対抗することができず、現時点ではドライバーズ選手権、コンストラクターズ選手権ともに後れをとってしまっている。

今季はF1タイトル争いが非常に白熱する一方で、レッドブルがメルセデスのF1エンジン部門から多くの人材を引き抜いていることなどから、両チームの首脳陣たちの関係がかつてないほどに緊迫した状況となっているのも確かだ。

特に、レッドブルのマルコとメルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(チームCEO)は同じオーストリア出身ながら、かなり仲が悪いことで知られている。

ヴォルフは母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙にマルコとの関係について次のように語っている。

「すごく正しい関係にあるよ。お互いに話をしないだけさ」

ともあれ、いまや2014年以降最強を誇り続けてきたメルセデスの牙城が崩れ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが初のF1タイトル獲得に向けて突き進むという、これまでには見られなかった光景が展開されているのは事実だ。

「F1に新たな時代が訪れている」

イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』がそう報じれば、同じイタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』も次のように続けている。

「4週間で風向きが完全に変わってしまった」

こうした中、マルコは現在のメルセデスについてオランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』に次のように語った。

「彼らにとっては異常な状況なんだ」

「だからこそ、彼らはあらゆることに文句を言うんだ。リアウイング、ピットストップ、なんでもかんでもね」

「我々がレースに集中し、ルールを守り続ければ、もはや何も我々を止めることはできないよ」

「彼らは7年間にわたって50馬力のアドバンテージを持っていたが、それを失ってしまっている。今の我々には彼らと同じパワーがあるからね」

「実際のところ、ストレートで最も速いのはメルセデスエンジンを積むマクラーレンだ。我々には同程度の性能を持つエンジンがあるだけだよ」

「それは、メルセデスにとっては新たな状況なんだ」

「我々は過去に犯した失敗から学んできた」

「メルセデスは昨年、エンジンを大きく進歩させた。だがホンダは今年それに対応したんだ」

そう述べたマルコは、こうした状況を迎えたメルセデスがとったのはレッドブルのリアウイングや、タイヤの使い方、非常に速いピットストップタイムなどに文句を付けることだったと指摘し、次のように付け加えた。

「そして、メルセデスが自分で文句を言えない場合には、彼らはアストンマーティンを使ってそうするのさ」

フェルスタッペンと同じオランダ出身の元F1ドライバーであり、現在は9月に開催されるF1オランダGPの責任者を務めるヤン・ラマースも、現在のメルセデスの姿勢には疑問を感じているようだ。

「メルセデスが優勢だった頃、レッドブルから聞こえてきた不満の声は今とは逆にずっと少なかった」

「彼ら(メルセデス)は、彼ら(レッドブル)の信用を失墜させようと、ちっぽけなことをいろいろ考え出しているんだ」

『NOS(オランダ放送協会)』にそう語ったラマースは次のように付け加えた。

「メルセデスは、自分たちの問題は構造的なものであり8回目のF1タイトルを獲得するのは非常に難しいということに気づき始めている、私はそう見ているよ」

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