ダニエル・リカルド(マクラーレン)は、このままタイトルをとることなく自分のF1キャリアを終えるつもりはないようだ。
かつてレッドブルの育成ドライバーとしてF1に駆け上ったオーストラリア出身ドライバーのリカルドだが、2018年シーズン限りでレッドブルを離れてルノーに移籍。そして今年はマクラーレンで通算11年目のF1シーズンを迎えている。
31歳のリカルドは『motorsport-total.com』に対し、チームを変えるのは常に少しばかり不安が伴うものだと認めつつ、それは「さらに学び、成長するチャンス」だと考えていると語っている。
しかし、リカルドは現在苦戦が続いているとは言えマクラーレンをあきらめてほかのチームへの移籍を考えるつもりはないと主張し、次のように続けた。
「僕は完璧だと感じられるようになるまで、何年かかけてスピードと理解度を高めていきたいと思っているんだ」
「僕はもうすでに30歳を過ぎている。だけど、もっと長くここにいることができる。この先2、3年は年齢が僕にストップをかけることはないよ」
「僕も5回タイトルをとるのは難しいと分かっている。だけど、1回はとりたいね」
実際のところ、リカルドが2021年のF1タイトルを狙うのはもう無理な話だ。現時点でランキングトップにいるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がすでに131ポイントを稼いでいるのに対し、リカルドは34ポイントで9番手にとどまっている。
リカルドは、2021年シーズンここまでの自分を10点満点で採点すれば5点だと語り、開幕戦バーレーンGP予選でチームメートのランド・ノリスに勝ったことに言及しながら次のように付け加えている。
「僕はバーレーンの予選でランドに勝ったんだけど、それを思い返すと“ああ、10点だ”と思ってしまうからおかしいよね」
マクラーレンのF1マシンに適応することに苦しんでいることもあり、ここまで必ずしも順調なシーズンになっているとは言えないリカルドだが、12月に行われる最終戦を迎えるまでずっと改善するための努力を続けていくつもりだと主張している。
「だから、みんなもパニックに陥らないでね」
微笑みを浮かべながらそう語ったリカルドは次のように続けた。
「マクラーレンにはコンマ5秒速くなると伝えたんだ。だけど、チームスピリットやここの雰囲気に関してはすごく満足しているよ」
「僕たちはサーキットで自分たちがやるべきことをやり、ストップウォッチに仕事をさせるだけだよ。僕は現時点で自分たちがいる位置においてもっとうまくドライブする必要があるだけだと思っている」
「同時に、そもそも僕がここに来た理由を失いたくはないと思っているんだ。迷いさえなければ、ラップタイムはついてくるはずさ」
そう語ったリカルドは次のように締めくくっている。
「もちろん、今すぐにでも花火を打ち上げたいところだけど、それをやり遂げるために時間が味方してくれることも分かっているよ」