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「今のレッドブル・ホンダに勝つのはすごく難しい」とメルセデスのボス

2021年06月23日(水)17:48 pm

メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフが、最近のレースでレッドブルがメルセデスを凌駕するパフォーマンスを見せているのはホンダF1エンジンのパワーアップによるものだという主張を繰り返した。

先週末にF1第7戦フランスGPが開催されたポール・リカール・サーキットではメルセデスの方が有利だろうと考えられていた。しかし、予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がメルセデスに大差をつけてポールポジションを獲得。決勝でもタイヤ戦略を成功させたレッドブルが勝利を収め、第5戦モナコGP以降3連勝を達成している。

ヴォルフは、特にポール・リカール・サーキットでレッドブルがメルセデスをしのぐパフォーマンスを見せたのは、ホンダがこのレースで投入した今季2基目のエンジンによるところが大きいと考えているようだ。

だが、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、実際にはホンダエンジンのパワーが増したということはなく、フランスGPでうまくいったのは新しいリアウイングによる空力特性によるものだと説明。現時点においてはエンジン開発にも一定の制約があり、パワーアップは不可能だというのがホーナーの主張だ。

しかし、ヴォルフはこうした開発制限のもとでもホンダには改善の余地があったのだとドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語った。

「耐久性を向上させれば、ほとんど同じハードウェアであっても、さらにパフォーマンスを高めることができるはずだよ」

「彼らは明らかに大きく躍進した。我々よりも大きくね。ストレートでの速さを見れば分かることだ。現時点では彼らを追い抜くことはできないよ」

実際のところ、メルセデスではすでに新たな技術レギュレーションが導入される2022年に向けた新車開発の方に全力を注いでいる。だが、レッドブルではなんとしても今年F1タイトルをとろうと現在も懸命に2021年型マシンの開発を継続しており、その取り組み方の違いがここ数戦で形となって現れてきているとも考えられるだろう。

2021年のタイトル獲得と、次の3シーズンのタイトル獲得のどちらが重要だと考えているかと質問されたヴォルフは次のように答えている。

「私にとってはどれも同じくらい重要だよ」

「しかし、2022年に導入されるレギュレーションはその後数年にわたって適用されることを考慮しなくてはならない。だから、そのために今行っている取り組みは、現在のクルマに対する取り組みよりもさらに強力なものになっている」

そう認めたヴォルフは、そういう背景もあり、レッドブルが所有するサーキット(レッドブルリンク)で今週末と来週末に行われる第8戦シュタイアーマルクGP(27日決勝)と第9戦オーストリアGP(7月4日決勝)の2連戦では自分たちを優勝候補だと考えることはできないだろうとしている。

「私は幻想など抱いていないよ」

そう語ったヴォルフは次のように付け加えた。

「レッドブルの現在のパッケージにはパワーと優れたシャシーが備わっているし、彼らに勝つのは非常に難しいよ」

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