先週末に行われた今季のF1第7戦フランスGPで勝利し、ルイス・ハミルトン(メルセデス)に12ポイント差をつけたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が今年のF1タイトル獲得に向けて非常にいい位置に立っているのは確かだ。
世界の主要メディアも、今年のF1で主人公となるのはもはやハミルトンではなくフェルスタッペンだと一斉に報じている。
例えば、オーストリアの『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』紙がフェルスタッペンが「メルセデスの領土をまた一つ征服した」と報じれば、スペインの『AS』紙は、「もはやハミルトンがボスではない」と結論づけている。
また、スペインの『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』は、フランスGPはハミルトンとメルセデスの「戦意を喪失」させるに十分なレースだったとしている。
イタリアのメディアも今年のF1選手権は昨年までとは違うものになったと考えているようだ。
まず、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、「これが今年のF1選手権のターニング・ポイントだろうか? フェルスタッペンの勝利はメルセデスへの警鐘だ」とし、次のように付け加えている。
「レッドブルが生み出すプレッシャーが、メルセデスの弱点を浮き彫りにしている」
さらに、『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』も、いまやフェルスタッペンが「新たなハミルトン」だと指摘し、次のように続けている。
「彼は自分自身とチームの能力に並外れた自信を持っている。彼は非常に困難な状況にあっても、その状況をコントロールし続けている」
「メルセデスのためにあつらえられていた退屈なF1は終わった」
そして『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』もほかのメディアと同意見のようだ。
「フォーミュラ・マックスがハミルトンをおびやかしている。ハミルトンは、トップを維持するための激しい戦いに慣れていない英雄的ドライバーというイメージだ」
そう書いた『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』は次のように付け加えている。
「この調子では、フェルスタッペンを止めることはできない」
レッドブル首脳のひとりであるヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)もこうしたメディアと全く同じ受け止め方をしている。
「誰が、あるいは何が我々を止めることができるだろうか?」
そう語った78歳のマルコは次のように付け加えている。
「マックスを止めることができるのは技術的トラブルだけだ。あるいは、メルセデスが魔法のようなトリックを思いついたときだけだね」
フィンランドの『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』紙は、現在の状況を次のようにまとめている。
「メルセデスに何が起きたのか? 彼らの選手権は最高のマシンばかりでなく最高のチームによって築かれていた」
「レッドブルがその彼らを追い抜いたのだ」
こうした中、かつて日本でも活躍していたオランダ出身ドライバーのトム・コロネルは母国の『Algemeen Dagblad(アルゲメン・ダグブラッド)』紙に次のように語っている。
「私にはメルセデスがパニックに陥っているとしか見えない。ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス、トト・ヴォルフ(チーム代表)らがね」
「彼らはレッドブルのウイングに注目するなど、あらゆる間違いを犯している。悪態をつくボッタスや疑問を口にするハミルトンを見れば分かる通り、彼らは非常に強烈なプレッシャーを抱えているよ」