先週末に行われた今季のF1第7戦フランスGPをノーポイントという結果で終えてしまったフェラーリだが、苦戦の原因は高めに設定されたタイヤ空気圧によるものだったかもしれないと考えている。
●【F1第7戦フランスGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
カルロス・サインツが11位、シャルル・ルクレールが16位と、今季初めてフェラーリが1台もポイント圏内でフィニッシュすることができなかったことを受け、フィンランドの『Iltalehti(イルタレティ)』紙は次のように報じている。
「ノーポイントで終えたことで、これまでのレースで芽生えていた希望の光が消えてしまった」
「33年前に亡くなったエンツォ・フェラーリ(フェラーリ創設者)は、ウィリアムズやアルファタウリが自分のクルマよりも前でゴールすると言われたら、墓の中でひっくり返ってしまうだろう」
フェラーリF1チーム代表のマッティア・ビノットはレース後、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に対し次のように語り、タイヤの不調が苦戦の原因だったと示唆している。
「何かがうまくいかなかった」
「グレイニングが生じてしまっていたんだ。だから、それがタイヤのオーバーヒートによるものだったのかどうかを理解する必要がある」
グレイニングとはタイヤの表面が均一に摩耗せず、ざらざらした状態となってしまうことだ。
F1公式タイヤサプライヤーであるピレリは、第6戦アゼルバイジャンGP決勝でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とランス・ストロール(アストンマーティン)の左リアタイヤが原因不明のバースト事故を起こしていたこともあり、フランスGPではさらにタイヤの最低空気圧を高めるようF1チームに指示を出していた。
そのことが原因だったと考えられるかと質問されたビノットは次のように答えている。
「それが原因だった可能性はある。しかし、これから分析してみなくてはね」
フランスGP予選では5番手とまずまずの位置を確保していたものの、決勝では苦しみ、11位フィニッシュに終わってしまったサインツはレース後すぐに次のように語っていた。
「正直なところ、バーレーン(開幕戦)以降、レースペースにずっと悩まされているんだ。その原因をすぐに突き止める必要があるよ」
実際のところ、フェラーリはすでに大きく技術ルールが変わる2022年に向けた新車開発にリソースの多くをシフトしている。
しかし、今季最悪の16位という結果に終わったルクレールは、現在の問題がどうして起きているのかを理解することは来年に向けても重要なことだと主張している。
「あらゆることを試してみたけれど、タイヤの消耗が早すぎるんだ」
そう語ったルクレールは次のように付け加えた。
「短期間で問題を解決することはできないだろうけれど、原因を理解して来年競争力を発揮できるようにするためには今年のうちに改善しておく必要があるよ」