ホンダは、レッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリが2022年以降はワークスF1エンジンメーカーのサポートがない状態でも活躍を継続できるようにするため、様々な検討を行っているようだ。
ホンダの山本雅史F1担当マネジングディレクターはフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に対し、今シーズンを最後にF1から正式に撤退する前にレッドブルとアルファタウリに供給する新エンジンの最終調整を検討していることを明らかにし、次のように語った。
「そのことについて話し合いを行っているところです」
「個人的には、私たちがこのスポーツから去ることを悲しく思っています。私としてはホンダがとどまって欲しいと思っていました。しかし、今回の決定を尊重し、理解しています」
ホンダが公式に発表したF1撤退理由は、今後カーボンニュートラルの実現に主軸を置いていくことになるため、優秀な技術者をそこに集約する必要があるためだとされている。
しかし、山本MDは現在レッドブルとのプロジェクトに関わっている数名のホンダ技術者が、レッドブルのF1エンジン部門として新設されたレッドブル・パワートレインズに移って引き続きF1エンジンのオペレーションに携わっていくことを認めている。
そして、そうしたメンバーに加えて、現在日本でF1エンジンに携わっているメンバーたちの中にもレッドブル・パワートレインズに転籍する者が出てくる可能性について、山本MDは次のように語っている。
「ホンダの日本ベースのエンジニアがレッドブル・レーシングに移籍する計画はありません。レッドブル・レーシングに対しては移行期間を設け、今シーズンが終了した後、何らかの形で彼らをサポートしていきます。今はどのようにサポートしていけるかについてディスカッションをしているところです」
一方、レッドブルとマックス・フェルスタッペンがメルセデスとのタイトル争いで接戦を繰り広げていることから、ホンダが2021年シーズンを通じてエンジン開発に力を注ぎ続けることになるのは確かだ。
「メルセデスと戦えるようにするために私たちができる限りのことをしてきたのは確かです」
「レッドブルも私たちにこの新エンジンで最後のシーズンを最大限に生かすチャンスを与えてくれました」
そう語った山本MDは次のように付け加えた。
「パワーに関してはそれぞれの(メーカーの)エンジンは今や非常に接近しています。現時点での違いは主にサーキットとコンディションによるものなんです。私たちはエンジン開発を継続していかなくてはなりません」