NEXT...F1開催スケジュール

F1アゼルバイジャンGPでレッドブル・ホンダに起きたタイヤバースト原因調査の結果は?

2021年06月17日(木)5:15 am

F1公式タイヤサプライヤーであるピレリは15日(火)、バクー市街地サーキットで行われたF1アゼルバイジャンGP決勝でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とランス・ストロール(アストンマーティン)の左リアタイヤが高速走行時にバーストした事故の最終調査結果を明らかにした。

当初、ピレリの自動車レース責任者であるマリオ・イゾラは、バクーで起きたタイヤトラブルはデブリと呼ばれるコース上の異物を踏んだことが原因ではないかと語っていた。

だが、今週初めには、ピレリ関係者が今回の事故はタイヤの設計や製造上の問題に起因するものでないばかりか、デブリによるものでもないことが確認されたと語ったとの報道が行われていた。

その際、ピレリでは今回の事故の本当の原因はレッドブルとアストンマーティンが、何らかの方法で規定よりも低い空気圧でタイヤを使用していたのではないかとの疑念を抱いているようだとも伝えられていた。

ピレリは、今回発表した調査報告の中で次のように語っている。

「アストンマーティンとレッドブルの2台の左リアタイヤに起きた不具合の原因が明確となった」

「いずれの場合もサイドウォール内側に円周方向の破損が発生しており、スタート時の規定数値は守られていたものの、それはタイヤの走行状態に起因するものだと考えられる」

つまり、ピレリが示唆したのは、レッドブルとアストンマーティンは規定の最低空気圧とタイヤブランケットの最大温度を守っていたものの、この2チームは何らかの抜け穴を見つけて走行時のタイヤ空気圧を低くする手段を見いだしていたのかもしれないということだ。

こうした中、ピレリが本社を置くイタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』紙は次のように報じている。

「非常に多くのチームが規定よりも低いタイヤ空気圧で走行する方法を見つけている」

「バクーのようなサーキットでチームが安全性をもてあそぶのは大問題だ」

「この抜け穴を塞ぐために、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)の技術規則にいくつかの文言が追加されることになるだろう」

『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』は、その対策としては、膨張ガスから水分を取り除くことや、レース前に行われるタイヤ空気圧検査の前にタイヤを加熱する方法などが考えられるとし、次のように続けている。

「この問題は、センサーの供給と開発が個々のチームで行われていることに起因している。簡単に言えば、チームたちが自分自身で検査しているということだ」

「これは明らかにジョークでしかない。2022年からこれらのセンサーはFIA自身が配布することになるだろう」

同じくイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』も次のように報じている。

「このタイプの損傷は、各チームのタイヤの使い方に起因するものでしかない」

ピレリは、FIAから各チームに週末のレース中に動作状態を監視するための「新たな手順」を反映した改訂版技術指示が送られたことを明らかにしている。

被害者の立場から一転して真犯人ではないかとの疑いの目が向けられることになったレッドブルだが、バクーで自分たちが不正を行った事実はないと次のように主張している。

「我々は常にピレリによるタイヤ設定値に従っており、今後も彼らの指導に従っていくつもりだ」

「高速度で衝撃を受けたにもかかわらず、ドライバーに怪我がなかったことを感謝している」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック