1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブが、先週末に行われたF1モナコGPにおいて、フェラーリが予選でクラッシュしたシャルル・ルクレールのギアボックスを交換しなかったのは正しい判断だったと主張した。
モナコGP予選Q3で暫定ポールタイムを叩き出していたモナコ出身ドライバーのルクレールだが、最後のアタックでさらなるタイム更新を目指したもののマシンをクラッシュさせてしまい、そこで赤旗が振られてセッションが終了。
結局、それによってほかのドライバーたちもタイム更新するチャンスを失い、ルクレールがポールポジションを獲得していた。
だが、右リアタイヤが激しくウォールにヒットしていたことから、ルクレールのギアボックスがダメージを受けた可能性があると考えられていた。しかし、フェラーリが行った検査では異常がなかったとしてルクレールがそのまま決勝をポールポジションからスタートすることになった。
ところが、ルクレールが決勝のグリッドにつくためのレコノサンスラップに出たとたんにマシンにトラブルが発生。伝えられるところによれば左リアホイールとドライブシャフトの間に発生した問題だったというが、すでにその時点でマシンを修復する時間はなく、ルクレールは決勝に出走することもできなかった。
F1関係者やファンの中には、フェラーリはギアボックスがらみのトラブルが発生する可能性があったものの、ギアボックスを交換すれば5グリッド降格ペナルティを受けることから、ルクレールをポールポジションからスタートさせるためにあえて交換を行わないというギャンブルに出たのではないかと考えている者もいる。
だが、ビルヌーブは、フェラーリがギャンブルに出ていたとしても、それはモナコだけに当然のことだと考えている。
最終的にレースに出走できないという結果を招いたのはクラッシュを起こしてしまったルクレールの責任だと語ったビルヌーブだが、フェラーリがもしリスクをとっていたとしてもそれは理にかなったことだったと次のように語った。
「モナコだけに、リスクをとり、ほぼ順位変動はないだろうと期待するだけの価値はあったよ」
「シャルルがポールからスタートしていれば勝利を手にする大きなチャンスがあっただろう。モナコではリスクをとるべきなんだ」
「もし彼ら(フェラーリ)がギアボックスを交換したり、あるいはマシンを完全に改造していたりしたらペナルティを受けるかピットレーンからのスタートになっていただろう。だから、リスクをとったのは理にかなっていたんだ」