レッドブル首脳のヘルムート・マルコが、昨年までマックス・フェルスタッペンのチームメートを務めていたアレクサンダー・アルボンに替えてセルジオ・ペレスを起用したことに満足していると語った。
世界的エナジードリンクメーカーであるレッドブルが所有するチームは、近年、フェルスタッペンのチームメートに競争力のあるドライバーを据えることに苦労してきた。
2019年にはシーズン途中でピエール・ガスリー(現アルファタウリ)が降格され、そしてアルボンも2020年シーズンいっぱいでトップチームであるレッドブルのシートを失っている。
そして、2021年シーズンに向けてレッドブルは10年のF1経験を持つペレスの起用に踏み切った。
そのペレスもシーズン序盤にはまだレッドブル・ホンダF1マシンにうまく対応することができずに苦しいスタートとなったものの、ポルティマオで行われた前戦ポルトガルGPでは「大きな前進」を果たすことができたと考えている。
レッドブルのF1マシンや2021年仕様タイヤの力を最大限に引き出すために、ペレスはこれまでとは全く違うやり方で対応することを徐々にだが学んでいるところだという。
ペレスは、レッドブルに対して単純に自分の好みに合うようにマシンを修正することを求めるつもりはないと語り、次のように続けた。
「これほど忙しいカレンダーだと、そうするための時間はほとんどとれないからね。そうすれば正しい道から外れてしまうだけさ」
「僕は、マックスが速く走らせることができるのであれば、僕にもできるはずだと考えるようにしているんだ。自分のやり方を見つけて適応していくだけさ」
レッドブルのドライバープログラム責任者としても知られるマルコは、そうしたペレスの姿勢を評価しているようだ。
マルコは今季の第4戦スペインGP(9日決勝)の舞台となるバルセロナでドイツのテレビ局『RTL』に次のように語った。
「セルジオについて言えば、予選、決勝ともに着実に進歩しているよ」
「チームを変えたドライバーには時間が必要なんだ。それはカルロス・サインツ(フェラーリ)を見てもわかるし、リカルド(マクラーレン)については非常にはっきりしている」
「ちょっとしたレース運があれば、彼(ペレス)も表彰台を狙えるんじゃないかな」
マルコは同じドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』にも次のように語っている。
「これまでの3レースで、ハミルトン(メルセデス)とフェルスタッペンだけがタイトルを狙って戦えることがはっきりした」
「ペレスはまだ慣れるのに苦労しているが、どんどん強くなっている。全体的に見ても、安定性という点でも、マックスに対して彼は最後のコンマ2秒が足りないんだ」
「一方、ボッタス(メルセデス)は肝心なところで力を発揮できておらず、イモラ(第2戦エミリア・ロマーニャGP)がそうだったように弱い日があることもわかっている」
ペレスをアルボンの後任として起用したことに満足しているかと尋ねられたマルコは次のように答えている。
「ああ。彼(ペレス)には改善の余地があるが、その改善を行っているところだよ」
しかし、現在レッドブルと2021年の単年契約しか結んでいないペレスは2022年に向けてレッドブルから契約延長をオファーされるかどうかを推測し始めるのは「早すぎる」と語っている。
「最も重要なのは仕事を楽しむことだよ。それに僕はレッドブルの文化が大好きなんだ。哲学は僕が慣れ親しんできたものとはすごく異なっているよ」
そう述べた31歳のメキシコ人ドライバーは次のように付け加えた。
「今後のレースで何が待ち受けているのか、僕たちの関係がどのように発展していくのか様子を見ていこう。でも、これからも協力関係を続けていきたいと思っている」