オーストラリア出身元F1ドライバーであるマーク・ウェバーは、今年3年ぶりにF1復帰を果たしたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)にはもはやF1キャリア初期の頃の「速さ」はないかもしれないと考えている。
年齢こそアロンソよりも5歳年上のウェバーだが、アロンソに1年遅れて2002年にF1デビューすると、その後はライバルとして戦いつつもお互いによき友人関係を育んでいたことも知られている。
ミナルディ、ジャガー、ウィリアムズ、レッドブルでF1を戦ったウェバーは2013年シーズンを最後に37歳でF1を引退している。そしてアロンソも同じく37歳となった2018年シーズン後にマクラーレンを離脱していったんF1を離れたものの今年3年ぶりにアルピーヌでF1復帰を果たしている。
ウェバーは今年7月には40歳となるアロンソについてスペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「僕はフェルナンドのものすごいファンだし、彼もそのことは知っているよ」
「だけど、彼も心配していたよ。簡単なことでないのは彼も分かっていたからね。アロンソやシューマッハ、ラウダという名前の者にとって、復帰は簡単ではないよ」
ウェバーは、アロンソのやる気は今も十分にあると考えているものの、再び若い頃のようなパフォーマンスを発揮してみせるのは難しいかもしれないと次のように続けた。
「F1は忍耐が理解されるところではないんだ。世界最高峰なんだ。だから、もっと時間が必要だなどと詫びて済ますわけにはいかないのさ」
「それが僕が抱いている疑問さ。今のフェルナンドが25歳の頃のフェルナンドに勝てるだろうか? それが問題なんだ。彼は今も優秀だし、さらに経験も積んでいる。だけど、本当にあのときほどの速さや勇敢さがあるだろうか?」
「その質問に答えられるのは彼だけだ」
そう語ったウェバーは、世界最高峰の二輪選手権MotoGPで過去6回王座についたスターライダーであるバレンティーノ・ロッシが近年は苦しいレースが続いていることを例にあげながら次のように付け加えている。
「バレンティーノ・ロッシを見てごらんよ。彼がこれほど苦しんでいるのを見るのは嫌だよ。だけど、ストップウォッチは絶対に嘘をつかないんだ」