ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターによれば、F1活動最後の年となる2021年に向けて改善したことのひとつがレーススタート時のエンジンパフォーマンスだったようだ。
●【F1第2戦エミリア・ロマーニャGP】決勝レースのタイム、周回数、ピット回数
ホンダの2021年仕様パワーユニットは明らかにこれまでよりも出力が向上しているが、それに加えてレーススタート時の加速が昨年までよりもスムーズになったのも間違いないようだ。
「セッティングとエンジンを調べ、何が問題だったのかを詳細に分析しました」
『formel1.de』にそう述べた田辺TDは、その結果は「素晴らしかった」と語り、先週末にイモラ・サーキットで行われた第2戦エミリア・ロマーニャGPに言及しながら次のように続けた。
「イモラはパワーサーキットだと考えられていますので、F1最終年にこの伝統的なサーキットで勝てたことにとても満足しています」
実際のところ、ウエット状態で開始されたエミリア・ロマーニャGP決勝スタート時に3番グリッドから一気に2台をオーバーテイクできたのがマックス・フェルスタッペンの最大の勝因だったと言って間違いないだろう。
田辺TDは、今後もレッドブルが現王者チームであるメルセデスと2021年シーズンを通じて戦うことができるよう、ホンダとしてエンジン開発の手を緩めるつもりはないとしている。
「前回のバーレーン(F1開幕戦)では我々がポールポジションをとりましたが、勝利は逃してしまいました」
「今回はポールポジションは獲得できませんでしたが、勝利を得ることができました。ですから、私たちには競争力があると思っています」
「第2戦での勝利は非常にポジティブなモチベーションになりますが、メルセデス、マクラーレン、そしてフェラーリも速くなっているので安心はできません」
そう続けた田辺TDは次のように付け加えている。
「だからこそ、今の競争力を失わないように開発を進めていきたいと思っています」