レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、今年導入される新F1燃料によって大きくパフォーマンスが向上することはないと示唆した。
先週、レッドブルは公式燃料サプライヤーであるエクソンモービルが開発した新燃料を2021年のレッドブル・ホンダF1マシンに使用することになると発表した。
レッドブルが出したリリースによればその新F1燃料は、パワー、パフォーマンス、保護性能の向上に重点が置かれたものだという。
かつてメルセデスのF1エンジン開発にも携わったことがあるマリオ・イリエンは、その新F1燃料によりレッドブル・ホンダがさらに勢いを増すことになるだろうと次のように語った。
「ライバルに大きく後れをとれば燃料とオイルがあっても世界選手権で負けることもある」
有名なエンジンビルダーであるイルモア・エンジニアリングの設立者としても知られるイリエンはドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』にそう語ると次のように付け加えた。
「新たな燃料配合によりさらに5馬力アップすることができる」
だが、マルコはこの件に関して次のように語り、新F1燃料が今年のパフォーマンスの決め手となるわけではないと示唆している。
「燃料とオイルがシーズンごとに改善されるのは普通のことなんだ。よそもみんな同じことをしているよ」
こうした中、かつてメルセデスのモータースポーツ責任者を務めていたノルベルト・ハウグは、現在の状況はレッドブルもメルセデスも自分たちが2021年のタイトル獲得最有力候補だと見なされることを嫌がっているのだと考えている。
「テストを通じて目にしたことからすれば、私はレッドブルを高く評価している」
「だが、一番いいのはほかの者が本命だと言われている状況で自分が勝つことだ。それが成功すれば素晴らしいからね」
そう語った68歳のハウグは次のように付け加えた。
「誰も本命にはなりたくないんだ。だが、もちろん誰もが勝者となることを望んでいるよ」