メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフが、最大のライバルであるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがバーレーンで行われた2021年F1プレシーズンテストでは自分たちのドライバーよりも「かなり速かった」と認めた。
フェルスタッペンが1分28秒960の最速タイムを刻んで3日間にわたって行われたプレシーズンテストを締めくくった一方、今年通算8回目のF1ドライバーズタイトル獲得を目指すルイス・ハミルトン(メルセデス)はフェルスタッペンよりも1秒以上遅い5番手タイムに留まってしまった。
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、現時点においては今年の最有力チャンピオン候補はレッドブル・ホンダのフェルスタッペンだと次のように報じている。
「ミルトンキーンズ(イギリス/レッドブルのファクトリー)生まれの青いクルマが有力候補としてシーズンをスタートすることになる」
「ルイス・ハミルトンはセットアップの問題が頭痛の種となってしまった」
「これに加えてギアボックスにも問題があり、現F1チャンピオンが置かれた状況は芳しいものではなくなっている」
メルセデスのヴォルフでさえ、フェルスタッペンの母国オランダの『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』に次のように語っている。
「レッドブルのドライバー(フェルスタッペン)はテストにおいて我々のドライバーたちよりもかなり速かった」
「我々は、クルマの特性を理解することも含め、いくつかの問題を抱えてしまった。予選までの2週間で何か手が打てるといいんだがね」
レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)もメルセデスを警戒しつつも、もはやこれまでのような大きな差ではなくなっていると考えているようだ。
「メルセデスがテストでどういうエンジンレベルを使用していたのかは分からない」
そう語ったマルコは次のように付け加えた。
「だが、我々としては彼らとの差はもはやそれほど大きくはないと見ているよ」
メルセデスはほかのいくつかのチームのようにプレシーズンテスト前に新車のシェイクダウン走行を行っていなかったが、それがテストでライバルたちに後れをとった原因のひとつではないかと考えているF1関係者もいる。
だが、ヴォルフはそれについて次のようにコメントしている。
「油断しているわけではないよ。タイトルを連続で勝ち取ったチームが多くないのには理由があるんだ。常に活力とやる気に満ちた時を過ごすことは簡単なことではないのさ」