「フェラーリエンジンが大きくパワーアップするとは思えない」とアルファロメオのボス
アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが、フェラーリが今季は再び強力なエンジンを投入することができるだろうとの見方に疑問を呈した。
2019年にはメルセデスエンジンを上回るほどのパフォーマンスを見せたフェラーリエンジンだったが、その合法性に疑念がもたれることとなった。この問題に関して調査に入ったFIA（F1統括団体の国際自動車連盟）だったが、それについて明確な発表を行うことはなく、フェラーリとの間に何らかの秘密の合意が結ばれたことだけが明らかとなっている。
だが、その結果、2020年のフェラーリエンジンは目立ってパフォーマンスが低下。フェラーリはコンストラクターズランキング6位に沈むという悲惨な結果に終わってしまった。
もちろん、フェラーリからエンジン供給を受けるアルファロメオやハースもその影響を大きく受けてしまい、アルファロメオは1年を通じて8ポイント、ハースはわずか3ポイントしか獲得できずに2020年シーズンを終えている。
だが、これまでに報じられたところによれば、フェラーリは2020年仕様エンジンの弱点を克服することに成功したようだと考えられている。
そして、今年はその改良版フェラーリエンジンで戦うことになるアルファロメオのバスールも今週次のように語り、期待感を示したと報じられている。
「彼ら（フェラーリ）の側では、おそらく昨年抱えた問題の大部分をリカバーすることができると思っている」
ところが、母国フランスの『Auto Hebdo（オト・エブド）』に同じような質問を受けた際にバスールが行ったコメントはあまり楽観的なものではなかったようだ。
「昨年はパワーユニット（エンジン）の馬力があまりにも小さすぎた。私はそれが我々の低迷の大きな原因だったと思っている」
そう語ったバスールは、2021年のフェラーリエンジンに期待はしているものの、「フェラーリは1年でその差を縮めることはできないだろう」と語り、次のように付け加えている。
「改良パーツをシャシーに施すことはすぐにできる。だが、エンジン開発のサイクルはもっと長いんだ」
バスールはさらに、今年は自分たちの2021年仕様F1マシンの開発をそれほど続けることもできないだろうと示唆している。
「2022年モデルに毎週取り組むことができるかどうかがその性能に大きな影響を与えることになる」
「だが、C41（2021年型車）に1週間取り組んだところで大きな違いは生まないだろう」
「しかしながら、我々は昨シーズンには大きな進歩を遂げることもできた。だから、それを続けられることを期待しているよ」
一方、バスールは、今年アルファロメオで3年目のシーズンを迎えるイタリア人ドライバーのアントニオ・ジョビナッツィにとっては今年が自分の価値を証明するための最後のシーズンになるかもしれないと示唆している。
「昨年の彼はよくやったよ。予選ではキミ・ライコネンよりもよかったくらいだ。だが彼はもう自分とチームメートを比較することを止めるべき時にきている」
そう語ったバスールは次のように付け加えた。
「彼は先を見据えて、チーム内において自分自身で決断をしなければならないよ」
