F1ドライバーやF1チーム関係者の中にも2021年シーズン中に試験的導入が検討されている“スプリントレース”に関して前向きな姿勢を見せている者が少なくないようだ。
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、先週行われたF1委員会において提案されたスプリントレースの試験的実施に関しては「幅広い支持」が得られたことを認めている。
今年1月にF1の新CEOに就任したステファノ・ドメニカリが提案した内容はおおまかには次のようなものだ。
金曜日に1回のフリー走行を行った後、土曜日に行われるスプリントレースのスタート順を決める予選を行う。そして土曜日に通常の決勝レースよりも短い距離、短い時間でスプリントレースを行う。そしてその結果で日曜日に行われる決勝レースのスタート順が決められるというものだ。
伝えられるところによれば、スプリントレースでも1位から8位までのドライバーに選手権ポイントが付与される案となっているようだ。
このスプリントレースは、今年のF1第7戦カナダGP(モントリオール/6月13日決勝)、第14戦イタリアGP(モンツァ/9月12日決勝)、そしてブラジルのインテルラゴス・サーキットで開催される第20戦サンパウロGP(11月7日決勝)の3レースで試験的に実施する計画が進められている。
今年ルノーからマクラーレンに移籍したダニエル・リカルドはこのスプリントレースについて次のように語った。
「僕はリバースグリッドよりもこのアイデアの方が好きだね」
「強いチームの強いドライバーが前に行くのは変わらないだろうから、人為的なものとはならないしね。練習走行を減らしてレースを増やすという考えは好きだよ」
そう語ったリカルドだが、F1は世界最高峰の自動車レースとしての価値を失わないように注意する必要もあると次のように続けている。
「僕はF1で勝利することが簡単になって欲しくはないんだ。そんなことになれば勝利の価値が損なわれてしまうからね」
「それが考慮されるのであれば、僕はこの案を受け入れるよ」
また、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコもスプリントレース導入には前向きのようだ。
「いい判断だと思うよ。あまりにも退屈なレースが多すぎたからね」
「これらのレースでポイントが与えられるのもいいことだ」
そう述べたマルコは、現在試験導入が予定されているモントリオール、モンツァ、インテルラゴスに言及しながら次のように付け加えた。
「それを試してみるためにオーバーテイクが可能な3つの適切なサーキットを見つけたよ」
さらに、マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルもスプリントレースを試してみる価値はあると考えている。
「我々はリバースグリッドがそうであるように人為的にドライバーの順序を入れ替えるようなことはしないと思っていない」
「ワーキンググループはできるだけ早くすべてのことを研究しようとしているところだ。悪魔は常に細かいところに潜んでいるものだからね」
そう述べたザイドルは次のように付け加えた。
「しかし、我々は何か新しいことを試してそれがどれくらいうまく機能するのか確かめるのを楽しみにしているよ」