【レッドブル】F1エンジン専門家の獲得を視野に
2022年から独自にF1エンジン製造を行うことになったレッドブルだが、その新プロジェクトに向けて経験豊かな人材を確保する動きも進めているようだ。
2022年から2024年までF1エンジンの開発が凍結されることが決まったことにより、レッドブルではすでにイギリスのミルトンキーンズにある自分たちのファクトリー施設の一部を新会社『レッドブル・パワートレインズ』に割り当て、そこでF1エンジンの製造を行っていく準備を進めている。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコによれば、そのエンジンプロジェクトにはホンダからも何人か残ってくれることになるが、それに加えてライバルから人材を引き抜くことも考えていると次のように語っている。
「ホンダから何人かを引き受けることになるが、それ以外にも、この業界ではライバルから人材を引き抜くのはよくあることだよ」
チーム代表のクリスチャン・ホーナーも次のように続けている。
「ホンダ関係者に加えて、今後数週間から数か月の間にいくつかのポジションが追加されることになるだろう」
「ホンダとの取引により、我々にはこれらの追加人材を見つけるのに十分な時間が与えられるんだ」
こうした中、メディアにはすでにレッドブルのF1エンジン部門に加わることになるのではないかと考えられる人物の名前が取り沙汰され初めている。
そのひとりは2014年以降メルセデスでF1エンジン責任者を務めてきたアンディ・コーウェルだ。コーウェルはまだメルセデスに所属してはいるものの、2020年6月いっぱいでF1の第一線からは退いている。
「彼は驚異的な成功をおさめたメルセデスのエンジン部門において基盤となった人物だ」
コーウェルについてそう語ったホーナーは次のように付け加えた。
「だが、私が知る限り、彼はF1の外で新たな挑戦を探しているようだ」
うわさでは、そのコーウェル以外にもイギリスのレース用エンジンメーカーであるイルモア社の創業者であり、かつてメルセデスのエンジン責任者を務めていたこともあるマリオ・イリエンの名前もあがっている。
マルコはこうしたうわさに関して、具体的な名前こそあげなかったものの、次のように語っている。
「まだ何も決まっていないんだ。だが、サポートということであれば論外だとは思っていないよ。例えば単気筒のベンチテストなどのね」
マルコは最後に、2022年から2024年までF1エンジンの開発を凍結することが合意されたことにより、FIA（F1統括団体の国際自動車連盟）はその間に各メーカーのエンジンパフォーマンスをうまく均等化するために介入することもできるはずだと次のように語った。
「ハイブリッドのレギュレーションが2014年に施行されて以来メルセデスが最強であり続けてきたが、再びひとつのエンジンが飛び抜けているようなことになってはならないよ」
