昨シーズン限りで5年間所属していたハースのシートを失ったロマン・グロージャンが、インディカーのデイル・コイン・レーシングと2021年の契約を結んだことが3日(水)に正式発表された。
だが、少なくとも2021年シーズンには、高速オーバルサーキットで行われるレースには出走しないことになっており、世界3大自動車レースのひとつにも数えられるインディ500マイルレースへの挑戦も見送られることになるようだ。
2020年のF1第15戦バーレーンGP決勝で起きた大事故から奇跡的に生還したグロージャンは、高速オーバルでのレースを回避することにした理由を母国フランスのラジオ局『RMC』に次のように語っている。
「この判断に関しては家族で話し合ったんだ」
「基本的には、僕はオーバルも含めて全レースで走るつもりだった。だけど、あの事故の後でテキサスとインディアナポリスの2つの“スーパースピードウエイ”は気が進まなくなった。もちろん、500マイルレースで勝つのは夢だけどね」
「僕は家族や子供たちのためにそう決めたんだ。彼らは家でバーレーンのレースをテレビで見ながら筆舌に尽くし難い経験をしてしまった。僕は彼らを二度と同じようなめに合わせたくないんだ」
グロージャンによれば、バーレーンで炎に包まれたF1マシンから脱出する際に負った左手のやけどはまだ完治したとは言えない状態のようだ。
「だけど、レーシンググローブをはめるのには問題ないと思うよ」
グロージャンはそう語ると次のように付け加えた。
「2月22日(月)にインディカーで最初のテストがあるんだ。多分そこでは100パーセントではないだろうね。だけど最初のレースが行われる4月18日には100パーセントになっていると思うよ」