メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフが、レッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)が行ったコメントに反論した。
ホーナーは最近、2020年のF1第16戦サヒールGPで新型コロナウイルス感染により欠場となったルイス・ハミルトンの代役を務めたジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)が素晴らしいパフォーマンスを見せたことで、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が現在最高のF1ドライバーであることが証明されたと次のように語った。
「もしマックスがコロナウイルスに感染して、誰かがその代わりにマックスのクルマに乗ったとしても、絶対に誰も彼と同じようなパフォーマンスを示すことはできないよ」
つまり、急遽代役としてハミルトンのF1マシンに乗ったラッセルがレース終盤にチームのピット作業ミスが起こるまで優勝はほぼ間違いないと思わせる見事な走りを見せたことで、実際のところハミルトンとまだ2年目のF1シーズンを戦っていたラッセルに力の差がないことが分かったし、本当に最強なのはフェルスタッペンだというのがホーナーの意見だ。
このホーナーのコメントに対して意見を求められたヴォルフは母国オーストリアのテレビ局『ORF』に次のように答えた。
「クリスチャンは我々のことをからかってばかりだが、それはしかたのないことさ」
しかし、ヴォルフはサヒールGPでラッセルが見せたパフォーマンスによって証明されることなど何もないと次のように続けた。
「本当に誰が最高のドライバーなのかを判断するにはお互いに(同じマシンで)競わせるしかないよ」
「我々はまだルイス対マックスを見てはいない。我々はジョージ対ルイスも見ていないし、最高のマシンに乗ったシャルル・ルクレールも見ていないんだ」
そう語ったヴォルフは次のように締めくくっている。
「だが、未来は若いドライバーたちのためにあるし、ある時点で彼らが同じマシンでお互いに戦うことになればそのときに誰がベストなのかが分かるだろう」