2020年に続き今年もF1グランプリを開催することになったイタリアのイモラ・サーキット関係者が、今年はぜひ観客を迎えてレースを行いたいと語った。
史上最多となる全23レースで計画されていた2021年のF1だが、新型コロナウイルス感染症であるcovid-19の勢いが衰えを見せない中、開幕戦として予定されていたオーストラリアGPは11月に開催延期、第3戦として予定されていた上海での中国GPは現状では2021年のレースカレンダーから姿を消してしまっている。
こうした中、開幕戦のバーレーンGP(3月28日決勝)に次ぐ第2戦(4月18日決勝)としてカレンダーに加えられたのが昨年もエミリア・ロマーニャGPとして第13戦を開催したイモラ・サーキットだ。
まだ正式なグランプリ名称は発表されていないものの、9月に第14戦としてモンツァで開催されるレースがイタリアGPを名乗ることになるため、イモラで4月に行われるレースは今年もエミリア・ロマーニャGPと呼ばれることになりそうだ。
チェイス・キャリーに代わって今年からF1最高経営責任者の座についたステファノ・ドメニカリは今回のカレンダー変更について次のように語った。
「オーストラリアGPの日程変更に合意することができたのは素晴らしいニュースだし、2021年のレースに何かまた変更が生じたときに備えて中国の仲間たちと仕事を続けていくことになる」
「ウイルスの状況が依然として流動的であるのは確かだ。だが我々には昨シーズンに得た経験もあるし、2021年もそれに従って全てのパートナーや主催者たちとともに安全に対応していくことになる」
伝えられるところによれば、昨年イモラと同じように代替開催を行ったポルトガルのポルティマオ(アルガルヴェ・サーキット)やトルコのイスタンブール・パークも2021年にもF1を開催することに前向きだと言われており、今後さらにどこかのレースが中止もしくは延期となれば、その代役としてそれらのサーキットでまたレースが開催される可能性もありそうだ。
イモラ・サーキットがあるエミリア・ロマーニャ地方の観光責任者であるアンドレア・コルシーニは『Gazzetta Motori(ガゼッタ・モトリ)』に対し、2021年にイモラで再びレースを開催することに関してはすでに昨年の12月からFIA(国際自動車連盟)会長のジャン・トッドらとの話し合いを開始していたと明かし、次のように語っている。
「ジャンにはあまりできることはなかった。レースを組織するのはリバティ・メディア(F1オーナー)の仕事だからね。だが、彼によって、トルコなども候補ではあるものの、主に我々とポルティマオの間での競争になることが分かっていたんだ」
「我々は自分たちが開催可能であることをはっきりさせたし、それ以降、我々がまた選ばれることに自信を持っていたよ」
そう語ったコルシーニは、4月18日に決勝が予定されているグランプリに観客を入れることが可能となるよう期待していると次のように続けている。
「11月は観客席にファンが全くいなかっただけに、4月にはある程度のファンがいることを期待している。広範な予防接種を望んでいるし、そうすれば最初のレースが助けになるだろう」
これを機に今後は恒常的にイモラがF1カレンダーに載るように働きかけていくことになるのかと尋ねられたコルシーニは次のように答えている。
「リバティ・メディアはその可能性を残してくれているし、そのことに関して今後話をしていくことになるだろう」