2020年シーズン末に正式にウィリアムズのチーム代表に就任したサイモン・ロバーツが、2021年に向けてチームでは「いろんなことが変化し始めている」と語った。
イギリスの名門F1プライベートチームとして知られるウィリアムズだが、昨年ドリルトン・キャピタル(Dorilton Capital)社にチームを売却。現在はチーム設立者であるフランク・ウィリアムズやその娘であるクレア・ウィリアムズもチーム運営からは完全に手を引いている。
クレア・ウィリアムズの後任としてチームを率いる立場となったロバーツは、新オーナーのドリルトン・キャピタルについて次のように語った。
「彼らはほかに9つの会社を所有しているんだ」
「これ(ウィリアムズ)は彼らにとって10番目の買収であるとともに、これまでに彼らが携わってきたほかのプロジェクトも長期的なものだ。我々はレーシングチームだからそれらとは少し異なるがね」
「ファクトリーではいろんなことが本当に変化し始めているよ」
その変化の兆候のひとつがメルセデスとの関係強化だろう。
今週、ウィリアムズがメルセデスと新たな技術提携契約を結び、2022年からルールが許す範囲でギアボックスや油圧システムなどを含む多くのパーツの供給を受けることが発表されている。
「我々は2021年と2022年に向けて多くの投資を行っているところだ」
そう語ったロバートだが、ウィリアムズは決してメルセデスの“Bチーム”になるわけではないと主張している。
「有利な点もあることは分かるが、我々はBチームになりたいとは思わない」
「我々は自分たちの独立性を維持したいと思っている。しかし、もっと競争力を高めたいとも思っている。簡単に言えば、我々に何か得意なことがあるのであれば、それをより早く市場で、より早くサーキットで実行できるようにすることに集中すべきだということだ」
「もし我々にあまりうまくできないことがあるのなら、そのときはそれらを持っている者から購入できるようにするべきなんだ」
「シャシーを製造するのであれば、我々がシャシー製造においては非常に優秀であり、全てをクルマに注ぎ込むことができるようにする必要がある」
そう語ったロバーツは次のように付け加えた。
「だが、我々は独立チームであり、独自性を保ち続けるつもりだ。だが、協業の余地もあるということさ」
ウィリアムズでは2月にかつてフォルクスワーゲンのスポーツ部門を率い、2016年には短期ながらマクラーレン・レーシングのCEOに就いていたヨースト・カピートを新たなチームCEOに迎えることも明らかになっている。
新体制で迎える最初のシーズンとなる2021年にウィリアムズがどういうパフォーマンスを見せるのかにも注目したいところだ。