メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフが、いつまでチーム代表というポジションに留まることになるのかはまだ分からないと語った。
一時期はメルセデスからの離脱さえうわさされていたヴォルフだが、最終的には2021年から3年間にわたってチーム代表を務めるという新契約を結んだことが明らかとなっている。
さらに、親会社のダイムラー、世界的化学メーカーのイネオス、ヴォルフがそれぞれチーム株式の3分の1ずつを保有したことも明らかとなっており、ヴォルフは「メルセデスは私の命だ」ともコメントしている。
そのヴォルフはイタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に次のように語った。
「私にとって、今年は非常に重要な年だったよ」
「前半はレースがなかったことで将来のことを考える時間がたくさんとれたんだ」
新型コロナウイルスのパンデミックにより開幕が7月にまでずれこんだ2020年F1シーズンに言及しながらそう語ったヴォルフは次のように続けた。
「公正な観点から言えば、私は決して去ることは考えなかった。だが、これまで常に言ってきたように、チーム代表としては一定の期限がある」
「もし誰か私よりもいい仕事ができる者がいると感じていたならば、私はバトンを渡していただろう。だが、そうではなかった」
「それは単にレースの面だけではなく、政治的なことや商業的な面も含めてのことだ。だから私がチーム代表としての役割を続けることが決まったわけさ。私はその立場が好きだからね」
しかし、ヴォルフはすでに自分と同じように33.3%ずつのチーム株式を持つイネオスのジム・ラットクリフ最高責任者、ダイムラーのオラ・シャレニウス会長との間では、今後自分の後任を探していくことについてすでに合意済みだとしている。
「チームの将来、そして我々の持続可能性と成長のために、私は将来に目を向けて誰がいつの日か私に代わってチーム代表になるのかを考える必要がある。その一方で私の役割はCEOや会長といった統括的なものに変わっていくだろう」
「それがいつになるのかは分からないが、ジム、オラ、そして私の間では今後誰がそのポジション(チーム代表)に就くことができるかを示すのは私の仕事だということで合意しているよ」
そう語った48歳のヴォルフは次のように締めくくった。
「我々3人の利害は完全に一致しているし、我々は勤勉でなく成功させることができない者にチームを任せたいとは思っていないんだ」